飛信隊なら起こる!ジャイアントキリング

仲山:効率を優先する組織は、ストーミング(混沌期)のワチャワチャした状態を好みません。確かに1番頭がいい人が考えたことを、みんながきっちり実践する方が効率よく100点には近づきます。

 ただ問題は、仮にリーダーが目指す100点の状態に到達しても負けてしまう、という時にどうするかです。自分たちのレベルが100で、相手のレベルが200のような場合、必ず負けます。

 『キングダム』では、秦が周囲の6カ国(韓、魏、趙、燕、楚、斉)から一斉に攻め込まれるシーンがあります。6カ国の合従軍の方が、圧倒的に兵の数が多い状態です。

 この時、秦を攻める合従軍は、戦争2日目から消耗戦を選びます。互いの戦力を削り合っていけば、時間がたつほど、兵の数で優れる方が有利になる。知恵を絞る必要はない。強者にとって、ジャイアントキリングを起こされないようにするには、消耗戦を続ければいいわけです。

 ビジネスの世界を見ても、ナンバーワン企業は消耗戦に持ち込もうとします。Eコマースの世界で言えば、中小企業は米アマゾン・ドット・コムに消耗戦を挑んではいけません。送料を含めた価格競争、配送スピード競争、品ぞろえ競争をしても、削られて終わるだけで、番狂わせは起こり得ないからです。

 それに比べて、『キングダム』は主人公の信と飛信隊がジャイアントキリングを起こし続けていく。だから面白いんです。つまり『キングダム』を通してジャイアントキリングの起こし方が学べるということです。

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