老将たちが背負う人々の思いの“重み”
仲山:あと古参社員としては、秦の老将・蒙驁(もうごう)にも共感します。
秦が周辺6カ国の合従軍から一斉に攻撃を受けた函谷関(かんこくかん)の戦いで、蒙驁は夜、同じ老将の張唐(ちょうとう)と酒を酌み交わしながら、こう語ります。
「老将には老将にしか務まらぬ役目がある」と。
才能を求めるなら、秀でた能力を持つ現役の武将たちはたくさんいる。けれど彼らには、秦という国が消滅するかどうかの瀬戸際で、重要な国門である函谷関を守ることはできない、と蒙驁は言うんです。それはなぜか。
彼らには、「“重み”が足りぬ」と――。

仲山:『キングダム』が面白いのは、登場人物の過去のエピソードが出てきて、そこから「なぜ今、彼らが戦っているのか」という動機や目的が分かるところです。
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