「相対的貧困」家庭の子どもは相対的貧困に陥りやすくなる
20歳未満の若者・子どもが、相対的貧困の場合、それはどのような影響を及ぼすでしょうか?
「全国的な学力調査(全国学力・学習状況調査等)の平成29年度追加分析報告書」に、家庭の「社会経済的背景(SES)」と小学6年生、中学3年生の学力の関係を分析した結果が掲載されています。
この調査では、家庭の社会経済的背景(SES)を「Lowest」「Lower middle」「Upper middle」「Highest」の4階層に分け、それぞれの家庭収入、父親の学歴、母親の学歴について以下のようにまとめています。
この中では、Lowestが相対的貧困層に比較的近いのではないかと考えます。
家庭の社会経済的背景(SES)別の小学校6年生の平均正答率は、以下のようになっています。棒グラフは平均正答率、丸い円が変動係数(標準偏差を平均値で割った値で高いほど正答率にばらつきがある)を意味しています。
どの科目も、家庭の社会経済的背景(SES)が高いほど平均正答率が高まり、変動係数は低くなるという結果でした。では、中学校3年生の平均正答率も見てみましょう。
同じような結果を示しました。家庭の社会経済的背景(SES)が平均正答率と何らかの関係があるとうかがわせます。
もっとも、この結果だけでは「両親の学歴が低い・年収が低いから、子どものテストの点数も悪くなる」と言えません。なぜならLowestの変動係数が相対的に見て高いということは、高い学力水準を持つ生徒もいると言えるからです。あくまで「平均正答率の平均値が低い」だけしか分かりません。
ただ、平均正答率の平均値が低ければ、大学に入学せず就職したり、職場でも単純労働に従事したりするなど、その後の生涯収入に影響を及ぼす可能性があります。
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