過去の内閣は若かったのか
今でこそ世界一平均年齢の高い日本ですが、その昔は敗戦による公職追放などで、中堅やベテランがパージされ、若者の力で復興していった国だ……という認識が私にはありました。したがって、政治の世界でも戦後は若手が中心で、次第に平均年齢が上がっていったと考えていました。実際はどうでしょうか。
片山哲内閣(1947年5月)から菅義偉内閣(2020年9月)までの73年間で102の内閣が成立しています。そのうち、各内閣で就任した大臣の年代を集計し、積み上げグラフで表示してみました(改造内閣を含む)。ただし、あくまで「発足当初」に限定し、途中での個別の大臣交代は含めません。
黄色は50代、紫色は60代です。何歳をもって若手とするかは主観によりますが、こうして73年の歴史を見渡してみると、40代以下(グラフでは緑色、赤色の部分)が半数を占める内閣なんて過去1つもなかったと分かります。敗戦直後から一貫して、中堅やベテランによる政治が中心だったのです。
内閣の平均年齢が最も若いのは芦田均内閣で55.76歳、逆に最も年齢が高いのは第2次森喜朗内閣で66.16歳です。ただし、中央値(データを小さい順に並べたとき中央に位置する値)の年齢となると傾向は変わります。第3次吉田茂内閣(第2次改造)と第3次吉田内閣(第3次改造)が53歳で最も若い内閣となります。第3次吉田内閣には吉田学校と呼ばれる門下生の入閣が相次いだことも一因でしょう。
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