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食品ロスは“ちゃんと”算出した方がよい

 冒頭、私は「今日食べたコメの分だけ、ゴミとして食品を捨てている」と説明しました。しかし家庭系・事業系の数字の詳細を掘り下げてみると、かなり根拠が脆弱であると分かりました。

 大前提として申し上げたいのは、SDGs(持続可能な開発目標)に「2030年までに世界の食料廃棄を半減する」という目標が掲げられている通り、食品ロスはもっと減らさなければなりません。だからこそ、今回分かったような統計の「穴」を塞がなければならないと思っています。

 家庭系食品ロスについては、各市区町村に対して予算を付けて「食品廃棄物」に対する「食品ロス量」の割合がいくらかを分かるようにしなければいけません。現状はあまりに標本数が少な過ぎます。

 事業系食品ロスについては、可食部と不可食部の区分を、もっと細かく提示しなければいけません。さらにその計測を事業者負担にするのであれば、何らかの法令なりメリットなりを示さないといけないでしょう。アンケートの回答者数が半数を切っている点から分かる通り、こんな面倒な作業を事業者の善意に基づいて運営するのは間違っている、と思うのは私だけでしょうか。

 コンビニやスーパーなどの小売業では、売れ残りの食品廃棄に対して様々な取り組みが検討されはじめ、数値目標や成果について明示するようになってきました。しかし、計測が難しい分野を今のままにしておくと、いつまでも実態が把握できず、削減してもその効果が見えてきません。

 これらは金の話であり法律の話であり、いずれにしても「政治」が動かなければ大きく事態が変わりそうにありません。

 食品ロスを所管する官庁の1つは環境省です。そういえば以前、小泉環境大臣は「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」と発言し話題となりました。

 気候変動に比べれば食品ロスは相対的に小さな問題かもしれません。とはいえ、大事なことは今すぐにでも、真面目に、実直に、誠実に取り組んでほしいと思います。