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 外食産業においては「食べ残し」が圧倒的に多いようですが、全体的には「賞味・消費・保管期限切れ、作りすぎ」が多いと分かります。

 しかし不思議なのですが「食べ残した量」をどうやって調べたのでしょうか? 私は学生のころ、飲食店でアルバイトをしていたのですが、「食べ残し」(食品ロス)を量る時間なんてとてもありませんでした。あれから時代は変わったのでしょうか?

 その方法についても明らかにされています。食品廃棄物の量をどのような方法で把握(推定)しているか、以下の表のように7種類の方法があげられています。外食産業であれば「割合設定(経験上、可食部の割合を推計し、食品廃棄物等の発生量にその割合を掛けるなど)」が119件と多いことが分かります。要は目視と勘ですね。

食品廃棄物等の把握方法内訳

可食、不可食の判断は事業者に任されてしまう

 では、事業系食品ロス量の推計はある程度、精緻と考えるべきでしょうか。

 いや、違うと私は思います。「仕入れた食材・食品、食材を加工・調理等してできた食品及び副次的に発生したもので食用にできるもののうち、最終的に人に食されることなく食品廃棄物等となってしまったもの」という定義が曖昧過ぎるのです。資料ではアンケート回答事業者の戸惑いの声が多く掲載されています。

 例えば、定義に従えば「試作品」「サンプル品」は可食部扱いになります。しかし消費者に提供するものではありません。仮に「食べられた味ではない」としても可食部扱いすべきなのでしょうか。他にも菌が発生して廃棄せざるを得ない規格外品も全て可食部扱い、お弁当の製造工程で余った少量の総菜も可食部扱いとなります。

 要は可食部=おいしいとか関係なく口に入れられるもの、という定義のようです。食品ロスってそういうことなんでしょうか?

 ところが「しょうゆかす」「米ぬか」は調理くずとして不可食部扱いになります。「食べられたらいいんじゃないの?」という区分がここで成り立たなくなります。その一方で、「おから」は可食部扱いです。上記の食品のように可食、不可食を区分けしてくれればよいのですが、実際はそうもいきません。せめて区分けの根拠(定義)がはっきりしていればよいのですが、それがないまま調査されているのです。実際、アンケートに回答した事業者からは「定義が曖昧」という声が多数上がっていました。

 定義が曖昧だと、区分けの最終判断は事業者に任されます。つまり事業系食品ロスにおいては、家庭系食品ロスのようにちゃんと量れているかが問題ではなく、何が食べられるもので、何が食べられないものかの判断を事業者任せにしていることが問題だと言えます。事業者が異なると同じ「食品廃棄物」であったとしても、「これは食べられる」「いや食べられない」と見解が分かれる可能性があります。それでは食品ロスの「数字」をいかようにもつくれてしまいます。