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電子政府ランキングの見方

 電子政府ランキングとは、オンラインサービス指標(Online Service Index)、人的資本指標(Human Capital Index)、通信インフラ指標(Telecommunications Infrastructure Index)の3つの指標を元に平均してEGDI(電子政府発展度指標)を出して順位を決めています。

電子政府ランキングを構成する指標
指標 意味合い
OSI
公共サービス提供のための政府によるICT利用を範囲と質の観点から評価するために用意された質問に対して、公式サイトや教育、労働、社会サービス、保健、財務、環境など各省のウェブサイトが対応しているかを調査。サイトが”usable”であるかどうかが重要。
HCI
15歳以上の識字率、小学校~大学の高等教育含む総就学率、平均就学年数、期待就学年数のZ値をそれぞれ求め指数化。
TII
住民100人当たりのインターネット利用者数、住民100人当たりの携帯電話加入者数、住民100人当たりのモバイルブロードバンド契約者数、住民100人当たりの固定ブロードバンド契約数のZ値をそれぞれ求め指数化。
出典「E-Government Survey 2020」

 ちなみにHCIはUNESCO(国連教育科学文化機関)、TIIはITU(国際電気通信連合)のデータをそれぞれ参照しています。なぜ電子政府のランキングにHCIが必要なのかピンと来ません。ただ、TIIと組み合わせて考えると、デジタル化による情報やサービスを受け取る環境と、利用者のリテラシー育成を重要視したとすれば腹に落ちます。

 ランキングは03年から始まり、08年以降は隔年で発表されています。その推移を表で見てみましょう。ちなみに日本はマスを黄色く塗りました。

電子政府ランキング(2008年~2020年)
出典「E-Government Survey 2020」ほか

 実は、日本は14年に6位(EGDIは0.8874)を記録していました。20年もEGDIは0.8989と過去最高を記録し、18年であれば5位相当の数値でした。しかしその間、他の国もEGDIを大きく上げており、相対的に順位が下がってしまったようです。

 ちなみに、上位はデンマーク、韓国、エストニア、フィンランドと続きます。韓国やエストニアはIT立国として比較的有名なので「確かに」とうなずけるランキングです。

 では、日本のEGDIはなぜ0.8989なのか、「E-Government Survey 2020」で詳細を確認します。その内訳となるOSI、TII、HCIの数値と順位は以下の通りです。

日本のEGDI、OSI、TII、 HCI
出典「E-Government Survey 2020」

 インフラ環境を意味するTIIについては10位と健闘していますが、HCIがランキング34位と低い結果となっています。その理由としてHCIを構成する項目の一つ、「Gross Enrollment Ratio(総就学率)」が89.84%と、他諸国と比べて低いことが理由に挙げられます。