こうした状況下で、落ち込んだ経済を立て直すために、各種のGo Toキャンペーンなど、「経済を回す施策」を最優先かつ矢継ぎ早に実施することは、どこまで効果があるのでしょうか。
成長率と累計感染者数に相関はあるのか
それを考えるため、各国がどのような状況におかれているかを独自の視点から見てみます。最初の切り口は実質GDP成長率と100万人当たりの累計感染者数です。まず、主要国における1~3月期の実質GDP成長率(OECD統計)と、1~3月分の100万人当たり累計感染者数(米ジョンズ・ホプキンス大学及び札幌医科大学フロンティア研ゲノム医科学)を散布図にしてみました。
中国、フランスを除けば、累計感染者数とGDP成長率には一定の相関が見られます。単なる相関か、それとも因果関係があるのかまでは判断できませんが、累積感染者数が多い国はGDP成長率の前期比減少幅もまた大きいのです。
ただし、新型コロナウイルスの感染が拡大したのは2月後半から3月にかけてですので、最も早く感染拡大が始まった中国を除き、1~3月期におけるGDPへの影響はそれほど大きくありません。そこで、4~6月期の実質GDPと100万人当たりの累計感染者数を散布図にしてみました。
1~3月期と比べて、100万人当たりの感染者数の目盛幅が大きく違う点は留意して下さい。
インドでは、3月から全土封鎖という最も厳しいロックダウンを行ったため、感染者数に対する経済への影響が強く表れています。しかし、インドの感染拡大は一向に止まりません。衛生環境の悪さ、6月からの規制緩和と経済活動の再開などの影響なのでしょうか、9月7日には累計感染者数は420万人を超えて、ブラジルを抜いて世界2位を記録しました。
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