2020年の勤務時間は?
19年の勤務時間を踏まえて、20年がいかに激務だったかを見てみましょう。まずは、同じように「仕事の始まり」から「仕事の終わり」までを棒グラフで表現してみました。
「仕事の始まり」はおおよそ9~10時、「仕事の終わり」はおおよそ19~20時と分かります。「仕事の終わり」が早まったのは、政治家や財界人との会食がほぼ無くなったからです。緊急事態宣言発令下で会食をしていたら、さすがにバッシングを浴びるでしょう。もっとも、賭けマージャンをしていた高級官僚もいたようですが。
また、棒線が全くの切れ目なく6月20日まで続いていると分かります。日曜日の16時台に官邸で30分から1時間ほどの短い勤務をしている日がありますが、これは菅義偉官房長官、加藤勝信厚労大臣らが中心になって開いている定例の新型コロナウイルスに関する会議です。
こちらも勤務時間を棒グラフで表現してみます。平日は青色、土日は赤色で表現しました。
19年と違って、休日勤務が目立ちます。20年1~6月の結果は以下のように集計できました。先程掲載した勤務時間と比較します。
平日平均勤務時間 | 約12時間42分 | 104日 |
---|---|---|
休祝日平均勤務時間 | 約6時間12分 | 24日 |
総勤務時間 | 約1470時間 | 128日 |
休日 | 32日 | |
外国訪問 | 15日 |
平日平均勤務時間 | 約11時間28分 | 117日 |
---|---|---|
休祝日平均勤務時間 | 約3時間16分 | 51日 |
総勤務時間 | 約1508時間 | 168日 |
休日 | 3日 | |
外国訪問 | 5日 |
19年と20年では、安倍首相が置かれている環境も重圧も違いますから一概に比較できませんが、休日は前年に比べて29日減り、休祝日の勤務は27日も増えました。
総勤務時間は20年1~6月の6カ月間で38時間ほど多くなっています。ただ、月6時間ほど増えた程度なので、大幅に増えたとはいえないでしょう。一方、20年の勤務日数は大きく増えています。外国訪問を含めて19年の143日に比べ、30日増の173日となりました。ただし、平日の平均勤務時間は1時間14分、休祝日の平均稼働時間は2時間56分とそれぞれ減っています。
つまり日数だけを注視すれば20年の方が激務ですが、その内訳である1日当たりの時間は20年の方がやや少なかったということになります。いずれにせよ、激務ではあるでしょう。また、今年は新型コロナウイルスという経験のない事案もあり、押しつぶされるような重圧が安倍首相にかかったのかもしれません。また長年の疲労が蓄積されて、19年は大丈夫だったけど、20年になって限界に達したかもしれません。
日数による規制か、時間による規制か、いずれにせよ今回の安倍首相の辞任表明のような事態を起こさないために何ができるかを考えなければいけないでしょう。
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