計算に含まれる問題点の整理
計算に含まれる問題点の整理

 私の意見としては、そもそも銀行振り込みの数字がカウントされない「キャッシュレス」は、その範囲が狭すぎると考えます。これでは事実上の「クレジットカード決済比率」です。

 従って、持ち家帰属家賃や法人向けクレジットカード決済額、銀行口座決済の多寡によって、各国の「キャッシュレス決済比率」は増減するはずです。今の各国比較を頭から信じるとミスリードを招く可能性もあります。

 ちなみに、韓国のキャッシュレス比率が「67.8%」と高いのは、クレジットカード利用率が高いためです。1997年のアジア通貨危機をきっかけに、脱税防止や消費活性化を目的として、カードの利用控えの伝票に宝くじ番号を付けたり、使用金額に応じた所得控除がなさたりするなどのクレジットカード利用推進策が実施されているからです。ドイツが低いのは、クレジットカードが使える店が少ないことが影響しています(ドイツに旅行する際、クレジットカードが使える店が日本より少ないことが注意喚起されますよね)。

 ただ、キャッシュレスは最近勃興した概念であり、様々な統計データが未整備の中で今あるデータから引き出さざるを得なかった苦労は察します。

 だからキャッシュレスに関する統計整備に予算が必要だと思うのですが、つい最近の19年7月11日に、政策シンクタンクの「構想日本」が公開した「政府の事業が検索できるサイトJUDIT!(ジャジット)」では、そういったデータは見つかりませんでした。

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