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 M字カーブの問題については、就業・失業統計を開発しているILOも、そこまで手が回らないのでしょう。ならば同じくM字カーブを描く韓国と協力して、独自に「出産、育児、介護を理由にやむなく就業を中断せざるを得ない労働者(≒1カ月以内に求職活動は行っていないし、すぐには就業できないが就業意欲はある者)」の指標を開発してもよいのではないでしょうか。

 最も効果的な失業率対策は、失業者を減らすことです。しかし、求職活動の環境が厳しくて仕事を探す活動をやめてしまったり、仕事に就きたくても今すぐには仕事に就けない状態に追い込まれてたりしている人が増えると、統計上の「失業者」は減るのです。

 「失業率は低い」で済まさず、日本独自の問題がないかを考え、必要な統計を開発することも大事です。他の国ではやっていないから、という理由で考えることを止めずに、見えなかった人たちに光を当てる。それも統計の仕事だと私は思います。