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注目されてこなかったもう1つの感染場所「職場」

 続いて7月1~16日の16日間で感染発表があった施設の内訳を見てみましょう。

施設別感染件数(7月1~16日)
内訳 件数
職場(オフィス、事業所、工場など) 16
医療施設(病院など) 13
福祉施設(老人ホーム、障害者支援施設など) 1
公共施設(市役所、警察署など) 3
商業施設(スーパー、百貨店、大型施設など) 9
飲食施設(居酒屋、キャバクラ、ホストクラブなど) 6
児童施設(保育園、幼稚園など) 4
教育施設(小・中学校、高校、大学など) 11
その他 1

 いわゆる「夜の街クラスター」の多くは施設を特定した発表がされていないので、それらとは比較できません。ただ、複数人の感染が公表されている施設では、4月と同じく、職場の件数が最も多いと分かりました。また、4月に比べて教育施設の数が相対的に多くなっているのが気になります。

 発表されていない「見えない施設」として、“夜の街”の店が多いのは事実です。しかし公表されている「見えている施設」として、引き続き職場の件数が多いことは、これまで注目されてきたでしょうか?

 緊急事態宣言が解除され、夜の街クラスターが注目を集める中、混み合った電車で通勤し、換気のよくないオフィスの中でマスクもせず仕事をして、手をこまめに除菌することなく1日8時間しっかりと働いたとすれば、「そりゃ、複数人の感染者が出てもおかしくないですよね」と思います。

 いま一度、皆さんに問いたいと思います。テレワークという手段が既に十分発達し、WEB会議が浸透している中、出社しなくても業務が回るのであれば、出社は本当に必要でしょうか。それとも、1日1回オフィスに隠されたスイッチを押さなければならない罰ゲームでも課されているのでしょうか。

 もちろんテレワークになじまない職種や業務もあるでしょう。しかしテレワークでも業務が回るのに、緊急事態宣言の解除後に、もとの業務体制に戻したり、もとの状態に近づけたりした職場も少なくないはずです。とはいえ、飲食店などがやっているほど新型コロナへの対策に気を配ってきたでしょうか。職場ではマスクをするだけで大丈夫なのでしょうか。

 今後の感染拡大を防ぐには、職場環境にも目を向ける必要がありそうです。