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クラスターの傾向に違いはあるか?

 20代以下の感染者数が多いことについては「どうせ夜の街クラスターなんだろ?」と思われている方もいらっしゃるでしょうが、確かにそうした一面はあるものの、高校や市役所、病院と既にクラスターは「夜の街」にとどまりません。そうした先入観は「自分は夜の街に行っていないから平気だ」というバイアスを生みます。

 JX通信社は、国や自治体、企業からの自主的な感染者の発表情報を、公益の観点から集約・整理してNewsDigestアプリで公開しています。ちなみに「ネット上の噂」が流れたり、「先行報道」がなされたりしていても、公式の発表がされない限りは集計していないので、かなり正確だと感じています。

NewsDigestアプリ「コロナ・防災」より(7月16日時点)

 登録している施設数は2496、報告された感染者数は7217人を数えます(7月16日時点)。全感染者数の約30%をカバーしていることになります。一般に発表される感染者数は「感染経路不明者」も含まれています。それ以外の経路判明者のうち、発生場所が公開されている感染者の割合は50%程度だと考えています。

 2496施設のうち、複数人の感染者が公表されているのは568施設です。その内訳を4月の1カ月間と7月1~16日までの間に感染が発表された施設で調べてみました。傾向に違いはあるのでしょうか。

施設別感染件数(4月)
内訳 件数
職場(オフィス、事業所、工場など) 120
医療施設(病院など) 117
福祉施設(老人ホーム、障害者支援施設など) 44
公共施設(市役所、警察署など) 26
商業施設(スーパー、百貨店、大型施設など) 23
飲食施設(居酒屋、キャバクラ、ホストクラブなど) 13
児童施設(保育園、幼稚園など) 9
教育施設(小・中学校、高校、大学など) 8
その他 3

 医療施設、福祉施設では100人を超えるクラスターが発生して騒然としましたが、日本全体を見渡してみると発生場所として職場(オフィス、事業所、工場)の件数が最も多いと分かりました。

 飲食店や商業施設への休業要請があったこともあり、これらの施設での新型コロナ対策は注目され、いろいろ報道もされていますが、振り返って職場での対策はどうだったでしょうか。テレワークは人の移動を減らすので、新型コロナ対策としての効果はあったでしょう。

 しかし、通常通りに出社したり、テレワーク下でもやむなく出社せざるを得なかったりした場合、職場内での感染対策は万全でしょうか。仮に「マスクをしている」としても、オフィス内の換気は万全か、キーボードやマウス、電話の受話器、共用で利用するコピー機、そして多くの人が触れるドアノブなどの消毒は十分でしょうか。他の施設と比べて予防が万全かどうかは、読者の皆さんが十分に気づいているかと思います。