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 有効求人倍率(含パート)の内訳である求職者数、求人数の推移も見ておきましょう。ハローワークを通じて就職できた件数(就職件数)もグラフに加えています。

有効求人数、有効求職者数、就職件数の推移(年平均)

 2010年以降、求職者数は減り、求人数は増えています。なるほど、このグラフを見れば「景気回復により仕事が増加」しているように見えます。

求人数の増加に抱く「モヤモヤ感」

 しかし冷静にグラフを眺めていると、様々な疑問点が浮かびます。

 2018年平均の有効求人数は約278万件と、バブル景気やいざなみ景気を超えて過去最高を記録しています。景気回復で仕事が増えるとはいえ、IT・デジタルの時代に、こんなにも「求人=仕事」が増えるものでしょうか。

 ちなみに、事業所・企業統計調査及び経済センサスによると、我が国における事業所数は1989年の662万をピークに、2016年には約20%減少して534万となりました。「職場」は減っているのに、「求人」が増えている理由が、私にはよく分かりません。

 これまでにない新たな仕事が生まれている、離職者が増えて人手不足になっているという説も考えられます。なるほど、一理あります。

 そこで、別の角度から考えてみます。そもそも求人媒体としてハローワークは魅力的でしょうか。折れ線グラフの就職件数に目を向けると、求人数に対して地をはうような推移を見せています。求人1件に対する就職件数は、1973年以降の平均値を見ると0.10(標準偏差は0.02)とめちゃくちゃ低い。2017年からは2年連続0.05を記録しています。

 そんな媒体に企業が求人を出し、求職者が足を運ぶ理由は何でしょうか。