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「テレワーク」政策は変わるのか?

 ものの数カ月で「テレワーク」という言葉が急速に使われ始め、テレワーク関係府省連絡会議の皆さんは、さぞ安堵しているでしょう。

 なぜなら、20年度の政府予算案における「テレワーク施策案」において、テレワーク普及展開推進事業に2億4800万円、テレワークの普及促進に向けた機運の醸成事業に1億1100万円の税金が使われるはずでした。

 新型コロナウイルスによって「命を守るためにテレワークが必要」だと分かったので、「普及、醸成のため」の事業はもはや不要なはずです。不要不急の事業に予算が無駄使いされないよう、衆院決算行政監視委員会は見張るべきでしょう。7月になって「テレワーク・デイズ」が行われるようなら国民もその予算を「テレワーク促進のためにもっと有効に使え!」と声を上げるべきです。

 例えば、その予算分だけ助成金をもっと増やしてはどうでしょうか。

 一般社団法人日本テレワーク協会によると、新型コロナウイルス感染症対策として、テレワークを新規導入する中小企業事業主に対する助成金は、テレワーク用通信機器や研修などは対象になりますが、パソコンやスマートフォンは対象外となるといいます。

 「専用性に欠ける」のが理由だそうですが、自宅にオフィス同様のスペックのパソコンを持っていない人だっているはずです。生産性が上がるなら、対象に含めてもよいのではないでしょうか。こういうところで「戦力の部分投入」をするから、いつまでたっても日本は戦略で勝てないのです。

 もう1つ、統計調査をもっと充実させるべきです。先述したように、テレワークの浸透度を把握するのに、現状の統計では不十分です。数字だけが踊って、誰も実態をつかめていないに等しい状況です。

 例えば、先述した通信利用動向調査のために7900万円、テレワーク人口実態調査のために1500万円の予算が組まれていますが、内容が重複する上に、似たようで違う質問をしているので回答にもブレが生じており、どちらを重視すべきか判断に迷います。どちらかに一本化すべきでしょう。

 いつかテレワークが浸透したらいいな、と関係省庁が考えていたら、その「いつか」がいきなりやってきたといった感じでしょうか。これを機に、テレワークが日本に浸透することを願います。