野球人気の復活のカギは大都市圏

 私は、野球人気復活の鍵は都市部にあると考えています。そこで、総務省の国勢調査から作成した15~17歳の野球人口比率を都道府県単位で調べて、ヒートマップ(率が高いほど青、白、赤へ変化する)にしてみました。比率が高まっているのは、島根県、山口県、沖縄県、佐賀県など主に地方の県です。

県別にみた地方の県の野球人口比率の推移
県別にみた地方の県の野球人口比率の推移
総務省「国勢調査」と日本高等学校野球連盟の統計情報を元に著者が作成
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 島根県の場合、球児の数は、05年の1461人から10年後の15年には1657人と13%ほど増加しています。

 一方で、15~17歳の人口が多いからでしょうが、野球人口率がもともと低いのは、大阪府や神奈川県、東京都などの大都市圏です。大阪府の場合、球児の数は、05年には8480人でしたが、10年後の15年には8388人とわずかですが減少しています。

県別にみた大都市圏の野球人口比率の推移
県別にみた大都市圏の野球人口比率の推移
総務省「国勢調査」と日本高等学校野球連盟の統計情報を元に著者が作成
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 10年と15年の47都道府県別野球人口の比率は10%が中央値になります。そこに届かずとも、せめて大都市圏で8%に手が届けば数字上は回復の兆しが見えるといえるのではないでしょうか。

 ただし、それはあくまで「数字上の改善」案にすぎません。なぜ入部先として野球部が選ばれなくなったのか。原因の根本解明がセットでなければ、単なる「数字遊び」になります。

 学生ファーストで、春のセンバツ中止を決断できた方々だからこそ、抜本的な改革のために何を変えれば野球を選んでもらえるか、議論してほしいと私は考えています。

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