19年の時点で1万人を超える部員がいるスポーツはサッカー、ソフトテニス、テニス、バスケットボール、バドミントン、バレーボール、ハンドボール、ラグビーフットボール、弓道、剣道、柔道、水泳(競泳)、卓球、陸上競技の14種類ありました。

 中でもサッカー人気は高く、16年には高校生の野球部人口をサッカー部人口が追い抜いてしまいました。競技人口の多いトップスリーと野球部人口は以下のように推移しています。

野球と主なスポーツの部活人口
野球と主なスポーツの部活人口
日本高等学校野球連盟と全国高等学校体育連盟の統計情報を基に作成
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 この少子化時代に、競技人口の多いトップスリーのスポーツは横ばいで推移しています。ということは、率で見れば上昇しているといえます。それに比べ野球部員の下がり方は目立ちます。これまでなら野球部に入っていたかもしれない男子高校生が、これらのスポーツに向かった可能性はあります。

 運動部ではなく文化部に加入した可能性も考えました。ただ、残念ながら文化部に所属している学生の時系列推移統計がないため確実な検証には至りません。

 ちなみに「平成29年度運動部活動等に関する実態調査」(スポーツ庁)によると、高等学校における生徒の部活動状況は以下のようになっています。全体の半分が運動部、残りの半分が文化部、そして帰宅部とざっくり考えればよさそうです。

高等学校における部活動の内訳
高等学校における部活動の内訳
「平成29年度運動部活動等に関する実態調査」(スポーツ庁)の統計情報を基に作成
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 運動部にありがちな”勝利への探究”を捨てて、身体を動かすことにフォーカスした「ゆる部活」の動きも見逃せません。

 スポーツ庁が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、「子供のニーズを踏まえた環境整備」の重要性が明記されました。スポーツの多様化を後押ししている形です。

 強くなりたい、技術を向上させたい、勝ち上がって全国大会を目指したいと考える学生がいる一方で、気軽に楽しめるなら身体を動かしたいと思っている学生も多くいるでしょう。彼らにとっての居場所となる部活を作ることも必要であり、そうした活動を「ゆる部活」と言って、昨今注目を集めています。

 スポーツ庁のオウンドメディア「DEPORTARE」によると、神奈川県立厚木北高校にはヨガ同好会があるそうで、こうした傾向は今後確実に広がると思われます。

 こうした活動をしている高校生は、部活動の種類が多くなかった昔なら花形スポーツの野球部に入った可能性もあります。しかし、多様化が進む中、黙っていても野球部に人が集まる状況ではないと思われます。何らかの対策を打たなければ野球人口はますます減少していくでしょう。NHKのテレビ番組に出演し、「セイバーメトリクス」(野球の統計解析手法)を駆使したこともある野球好きな私にとっては、非常に気になるところです。

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