公的統計データなどをもとに語られる“事実”は本当に鵜呑みにしてよいのか? 一般に“常識“と思われていることは、本当に正しいのか?気鋭のデータサイエンティストがそうした視点で統計データを分析・検証する。結論として示される数字だけではなく、その数字がどのように算出されたかに目を向けて、真実を腑分けしていく。ビジネスパーソンとして正しい数字の読み方・分析の仕方ができるセンスを身につけることができます。
シリーズ
データから“真実”を読み解くスキル

42回
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混乱する“コロナ統計”報道から考えるデータジャーナリズムの役割
新型コロナウイルスの感染は統計の世界にも大きな一石を投じた。感染が始まった頃の感染に関するデータは混乱し、“統計”と呼べるものではなかった。今では、各メディアが各種データを掲載するウェブサイトを公開している。そこで発信さ…
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緊急事態宣言再発令 ジオデータから見たコロナ感染拡大の実態と教訓
感染者数の爆発的拡大により、2021年1月7日、政府は緊急事態宣言を再発令した。今回の感染急拡大の背景にあるのは何か。飲食店の営業時間の制限が打ち出されたが、飲食以外に注目すべき原因はないのか。これまであまり分析されてこ…
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コロナ禍で広まる「テレワークは歓迎すべき働き方」のウソとホント
新型コロナウイルスの感染拡大の中、一気に拡大したテレワーク。緊急事態宣言後は、その比率は下がってきたものの、これまでテレワークによる生産性向上を唱える統計が多かった。しかし、実際ににテレワークに多くの人が以降することによ…
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新型コロナ第3次感染で統計調査がなすべきこと
新型コロナウイルスの第3次感染の拡大によって、GoToトラベルなどの経済支援策の抑制や、不要不急の外出の自粛などが一部地域で始まり、緊張感が高まっている。そんな中、感染拡大を少しでも食い止めるために統計はどうすべきなのか…
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欧米よりLGBT比率が高いかもしれない日本 一方で法的整備に遅れ
世界的にLGBTへの対応が進む中、日本では無理解による問題発言は相変わらず続いている。LGBTと自認する人の比率は欧米よりも高く、約550万人と推定できる。それは最も多い名字である佐藤、鈴木、高橋の合算より多い。しかし、…
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内閣は“高齢化”している? データを掘り起こして分かったこと
2020年9月15日、自民党の総裁に就任した菅義偉氏を支える執行部が披露された。その顔ぶれをから「5G(爺)」と呼ぶ人たちが出るなど、その「高齢」ぶりが話題となった。戦後、公職追放などによって、今より若い世代が政治を動か…
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大阪都構想にみる調査データ利用に潜む危うさ
11月1日投開票の大阪都構想住民投票が近づいている。そんな中、各種「アンケート」や「調査」をもとに、さまざまな意見が語られている。しかし、調査データを都合のよい形で利用した論評も見られる。今回の住民投票に限らず、情報を受…
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大阪都構想の住民投票 事前予想の「賛成派優位」は盤石か?
2015年、住民投票にかけられた「大阪都構想」は僅差で否決されたが、20年11月、再び住民投票が実施されることとなった。投開票の結果によっては、大阪の地方自治が大きく変化することになるかもしれない。前回の投票結果は僅差で…
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日本、世界電子政府ランキング14位の虚と実
菅内閣発足でデジタル庁がにわかに注目されている。そんなおり、UNDESA(国連経済社会局)が発表した世界電子政府ランキングで、日本は14位となった、このランキングはどのように算出されたものなのか、そして日本のデジタル化は…
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菅新政権が直面する新型コロナ禍の悩ましい現実
9月14日、自民党総裁に菅義偉氏が選出された。この後、16日には新総理に就任し、日本を引っ張ることになる。新型コロナウイルス対策が最大の課題の1つとなりそうだが、GDP成長率が年率換算で28.1%という厳しい経済環境にあ…
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「連続勤務147日」は安倍首相の体調不良を引き起こしたのか?
8月28日、安倍晋三総理が、健康問題を理由に、辞任することを突然明らかにした。7月中旬頃からの体調不良が、政権の継続を難しくした形だ。その過程で麻生太郎副総理は「連続勤務日数147日」が原因であるかのような発言があった。…
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いざなみ景気超えできなかったアベノミクスで起きていた本当のこと
2020年7月30日、景気動向指数研究会は18年10月が景気の山だったと発表した。安倍晋三首相が言い続けてきた景気回復は、1年半前以上前に終わっていたことになる。いざなみ景気超えで戦後最長の景気回復期を自賛していた首相だ…
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“長寿大国日本” 今年も延びた平均寿命の本当の意味
新型コロナウイルスの感染拡大という一大事件に見舞われた2020年ほど「健康の大切さ」が見に染みた年はない。そんな中でも日本の平均寿命は高い水準を維持している。よくいわれる平均寿命だが、平均余命とどう違うのか、過去の日本の…
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新型コロナ 隠れたもう1つの感染源「オフィス」は大丈夫か
第2波とも思える新型コロナウイルスの感染者の急増は、東京都だけでも1日当たり300人に迫る勢いだ。感染源として“夜の街”が注目されてきたが、実は隠れた感染場所がある。「オフィス」だ。4月でも7月でも公開された感染場所でト…
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“新移民国家”日本 失踪する技能実習生1万人と新型コロナ対策
日本の「移民」の定義は国際連合などの統計に比べて厳しめだが、それでも110万人近くが永住者として存在している。これだけでも石川県ほどの人口に匹敵する。一方、これとは別に技能実習生として40万人を受け入れている。このうち1…
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新型コロナ禍からの回復には経済の“リアルタイム可視化”を
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言によって、日本の経済は大きな打撃を受けている。失業率には激定期な変化は見えないが、もう一段深く分析すると非労働人口が急激に増えていることが分かる。製造業に大きな影響をもたらしたリーマン…
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新型コロナ第2波に向け社会的弱者のケアを
世界で新型コロナウイルスの感染者が拡大を続ける中、海外の調査では、人種の違いによる経済的格差によって感染率に差が出ているとの結果が公表されている。日本では、個人情報保護の思想のもと、属性や地域による感染の偏りについてはほ…
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近づく大規模国勢調査 アフターコロナ対応遅れのリスク
新型コロナウイルス感染の中、公的統計の中止や変更などが相次いでいる。2020年は5年に1度の国勢調査の年。しかも、10年に1度の大規模調査となる。しかし、調査員による配布・回収を基本とする調査の実施には多くの課題が山積み…
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統計的視点で読み解く新型コロナデータの危うさ
4月7日に新型コロナウイルス対策として出された非常事態宣言は、その後、全国に拡大された。感染拡大の状況を知るために厚生労働省などからのデータが公表されているが、よく見ると疑問符の付くものが存在する。発表内容が厚生労働省と…
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新型コロナ下のテレワーク 実態はLINE調査だけでは分からない
新型コロナウイルスの感染拡大でにわかに注目されている「リモートワーク」。だが、コロナ禍の危機下においても普及はなかなか進まない。職種、地域、企業規模などによる格差が見て取れるが、それ以上の詳しい実情は分からないままだ。各…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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