あなたの会社にはどんな居場所や出番があるのか

北野:弱い人を助けるというお題の下に「自分はこういうことが得意だったんだ」と気づける機会が生まれるということですね。

藤吉:いろいろな登場人物がいたほうが豊かなドラマが生まれます。ドラマは、時を進める機能を果たしますよね。ドラマが生まれない組織はダメだと思います。

北野:人がそれぞれに持つ才能と、組織がその時々で求める才能を、うまく組み合わせる必要があるのだと思います。

 創造性・再現性・共感性という3つの才能の必要配分を時期別に考えてみると、例えば企業の創業間もない時期には創造性8:再現性1:共感性1、くらいでしょう。

 けれど、組織が大きくなるにつれ、再現性や共感性が求められる配分が増えて、創造性6:再現性2:共感性2、あるいは、創造性5:再現性3:共感性2、となっていく。

 一方で、個人の才能にも同じように違いがあります。つまり組織の成長フェーズに応じて、必要な才能の種類や配分は変わっていく。

 結局、『天才を殺す凡人』という本の価値は何だったのか。その答えをこの半年くらいずっと考えてきたのですが、この「才能の需要・供給バランス」を可視化することだったのかもしれないなと近ごろ感じています。

 では現状、才能の需要について企業が語っているのかどうか。

 藤吉さんの言葉を借りれば「今のうちの会社には、こういう居場所があり、こういう出番がある」と明確に説明できる組織はあまりないのではないでしょうか。

藤吉:そうですよね。その結果、居場所や出番を見つけられずにさまよう人があふれている。

(対談後編は2019年8月30日公開予定)