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100億円のプロジェクトでも資料2枚

中野:そういうことも時々ありますけれど、前提として僕は資料を要求しません。「資料を作る時間がもったいないから、説明は全部口頭でいい」と伝えているんです。

 とはいえ、社外の人にも説明しなきゃいけない場でパワーポイントの資料が必要になる場合はありますけれどね。それも1枚か2枚でいいと言っているんですよ。ほら、これがちょうど昨日、そういう会議で使った資料ですけれど、キーワードと写真だけの2枚。これで100億円規模のプロジェクトです。

北野:えっ……! めちゃくちゃ面白いですね。短いキーワードに何を書くんですか。

中野:このプロジェクトでやりたいことは何か。その概念図だけです。大規模なプロジェクトを始める前に「まず調査から」とか言い出す人がいますが、調査に3年、数億円かけても意味がない。だって明日の世の中はどうなるか分からないんだから。

北野:すごいですね。その姿勢は昔から変わらないんですか?

中野:昔から同じです。この性格は変わらないので、そういう仕事の仕方を許してくれる環境でしか働かないと決めていたんです。僕はできることに限りがあるし、僕が正しいと思う方法しか選びたくないから、それを理解してもらえる職場をいつも探してきました。必ず見つかるんですよ。国とか条件とかこだわらなければ、世界中のどこかに見つかります。僕の場合はその1つが台湾の会社であり、寺田倉庫でした。(後編は4月30日掲載予定)

(構成:宮本恵理子)