30年後になりたい自分のイメージを毎年書き出す

北野:僕は「会社の口癖」はその組織のカルチャーをつくると思っているのですが、ガイアックスの社内でよく聞かれる言葉はありますか? あるいは、上田さんご自身の口癖でも。

上田:うーん、あまり意識したことはなかったなぁ……。

北野:これ、つい最近、ワンキャリアの社内でも話し合ったところなんですよ。「うちの会社の口癖ってなんだろうね?」と。結構、いろんな意見が出てきて面白かったですよ。

 僕自身が社内でよく言っている口癖も明らかになりました。ことあるごとにメンバーに「バリュー出してる?」と聞いているんです。コンサルティングファーム出身ならではの口癖ですね(笑)。

 ただ、僕としてはこの問いかけは優しさのつもりなんです。与えられた仕事をこなすだけでは代替可能な人材になってしまうし、常にバリュー(価値)を意識することで会社にも社会にも必要な存在になれるはずだという、僕なりの思いがあっての言葉なんですよね。

上田:なるほど。「会社の口癖」として思い出したものがあります。ガイアックスの数少ない社内ルールの1つに、四半期ごとにコーチングプログラムを全メンバーが受けるという習慣があるんですが、そこでは「ライフワーク」や「ライフプラン」という言葉が頻繁に飛び交っていますね。

北野:へぇ。具体的にはどういう問いかけになるんですか?

上田:「結局、君のライフワークはなんだっけ?」とか「それを達成するにはどんなライフプランが必要だっけ?」「今のライフプラン、どういう状況?」という感じです。

北野:そのコーチングは1対1で受けるんですか。上田さんも受けるんでしょうか。

上田:1対1です。僕は受けないですが、自分でライフプランを棚卸しする作業は年1回くらいのペースでやるようにしていますよ。「仕事」「プライベート」「その他」に関して大事にしたい項目を10個くらい書き出して、それぞれの5年後、10年後、30年後に「こうなっていたい」というイメージを書き出す。起業する前に働いていたベンチャー・リンク(当時)という会社で教わったフォーマットを、今でも継続しています。

北野:30年後のイメージなんて、分かるものですか?

上田:分からないですよ。でも、分からないからこそ、好き勝手に書けるじゃないですか。

北野:例えばどんなふうに書くんですか。

上田:「僕らが関わったメンバーから上場企業の経営者が○人出ている」とか「生活の中でスポーツに費やす時間を○割にまで高める」とか、好き放題に。

北野:なるほど。前職のベンチャー・リンクも、起業家を応援する企業ですよね。上田さんのライフワークは、やはり「起業家を育てる」ということになるんでしょうか。

上田:そうですね。起業は結果であって、「一人ひとりがのびのびと自分の才能を発揮する姿を応援したい」という気持ちが強いです。仕上がりとして起業家になる人は多いですけれど、NPO(非営利組織)を立ち上げるのでもいいと思いますし、プロフェッショナルなフリーランスとして独立するのも応援したいです。

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