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会社のホームページで伸びる会社か分かる

北野:好き嫌いをすぐに答えられないのは、なぜだと思いますか。

藤野:理由や根拠を明確に言うのが難しいからかもしれません。でも、いいんですよ、理由や根拠は後付けで。

 例えば、ここにリンゴが2つ並べてあるとして、「どっちが好き?」と聞かれて「うーん、何となく、こっちが好きかな」と選び取った理由をスラスラと説明できる人はなかなかいないはず。色、形、ツヤ、香り、それ以外の感覚的なもの……。選んだ理由を完璧に説明するのは難しいでしょう。それでも、実際に選び取って、「なんで自分はこっちが好きなんだろう?」と考え続けることが、とても大事なのだと思います。

北野:好き嫌いを根拠に選び取る訓練を重ねるんですね。

藤野:会社選びに関して言えば、僕はよく「その会社のポータルサイト(ホームページ)をよく見てください」と伝えています。

北野:会社の“顔”ですね。

藤野:そうですね。会社の顔であり、“玄関”です。今の時代における会社の玄関は、リアルな玄関であり、インターネット上に開かれたポータルサイトです。ポータルとは玄関という意味ですから、まさにそういうことなんです。

 素晴らしいことに、その玄関は24時間365日いつでも訪問自由で、誰でもアポなしで入れます。では、そこに入ったときに何をしたらいいかというと、「好きか嫌いか」を感じ取って、その理由を考えるんです。好きと感じたのは、ロゴデザインなのか、全体の色使いなのか、トップに流れるコピーなのか。きっといろいろあると思います。

北野:感覚的な印象でいいんですね。

藤野:いいんです。次に見てほしいのは、「会社の玄関に、社長は出てきているか?」という点です。

 昔の商店は、今でいう社長に当たる立場の責任者が、お店の名前が入ったエプロンを身に着けて、店先に立って「いらっしゃい。いらっしゃい」と呼び込みをしていた。現代においても会社の店先、すなわちポータルサイトに顔を出して呼び込みをすべきなのはやっぱり社長で、しない理由はないですよね。きちんと顔を出し、名前をしっかりと明示して、誰よりも前に出て「代表挨拶」なり「トップメッセージ」なりで、お客様とコミュニケーションを取ろうとするのが、あるべき姿です。

 さらに言えば、その文面が“一人称”で語られているかどうかも、僕は見るんですよ。「私は」「私たちは」という一人称を使わず、「弊社は」「当社は」と会社を主語にしようとする社長は、どこかに「これは会社の判断であって、私自身が言っていることではないよ」という責任回避の姿勢がある。ポータルサイト一つ取っても、細かく見るほど、いろんな違いが見えてくるんですよ。