米ハーバード経営大学院の気鋭の経済学者、スコット・コミナーズ准教授は、経済学とコンピューターサイエンスとビジネス理論の最先端を究める研究者だ。「市場の失敗」を見つけることが、なぜ新規ビジネスの種になるのか説明する。
ラインアップ(毎週火曜日掲載)
  • 01 「市場の失敗」は稼ぐチャンス
  • 02 市場の仕組みを設計しよう
  • 03 市場の失敗から価値を生む方法
  • 04 「流動性のなさ」はチャンスだ
  • 05 インターネットで起業が変わった
  • 06 「キュレーション」が重要なワケ
  • 07 起業家に必要なマネジメントスキル
  • 08 クラウドファンディング活用法
※今後の内容は変わる可能性があります
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マーケット・デザインとは何ですか?

スコット・コミナーズ(米ハーバード経営大学院准教授):マーケットデザインの研究領域は、システムをどうつくるか、市場に摩擦があるとき、どう市場を理想的にするかです。

 経済学は、世界を読み解く思考法です。一言でいうなら、人や企業がインセンティブに反応すること。経済学は、反応する「人」そのものとも言えます。

 経済学は単なる説明的な学問ではなく、現実の問題解決に生かせる分析・思考法なのです。

 私が初めてマーケット・デザインの考え方に触れた時、視界が開けた思いでした。世界をより良くつくり直せると。(前回)フードバンクの話をしましたが、マーケット・デザインの対象は起業のねらい目です。

この先のポイント
  • ●市場の失敗を修正する意味は?
  • ●プラットフォーマーが強い理由は?
  • ●「市場の失敗」の起業では何に注目すべきか?