全3744文字

 令和という新しい時代に突入し、企業と個人の結びつきが大きく変わろうとしている。特に最近、多くのビジネスパーソンにとって印象的だったのが、トヨタ自動車の豊田章男社長の発言ではないだろうか。「終身雇用を守っていくのが難しい局面に入ってきた」――。経団連の中西宏明会長も、終身雇用について「制度疲労を起こしている」と語った。戦後の経済発展を支えてきた日本企業が、相次いで「終身雇用」という仕組みが続かないと明かしたのだ。昭和と平成を貫いてきた企業と個人の関係が曲がり角を迎えている。その先にある新しいカンケイとは。

 本連載では、国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork(オープンワーク)」を運営するオープンワークの副社長や、組織・人材コンサルティング会社リンクアンドモチベーションの取締役を務める麻野耕司氏が、令和時代の新しい企業と個人の関係について解説する。連載6回目では「オープンワーク」に蓄積されたデータを活用しながら、企業や仕事に対するビジネスパーソンの価値観がどのように変わっているのかを解説します。

(聞き手/日経ビジネス編集部 日野なおみ)

オープンワーク副社長・麻野耕司(あさの・こうじ)氏
2003年、慶応義塾大学法学部卒業。リンクアンドモチベーション入社。2010年、中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に、当時最年少で着任。気鋭のコンサルタントとして、名だたる成長企業の組織変革を手掛ける。2013年、成長ベンチャー企業向けの投資事業を立ち上げ、全く新しい投資スタイルで複数の投資先を上場に導く。2016年、国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ、国内HRTechのけん引役として注目を集める。2018年、同社取締役に着任。同年、ヴォーカーズ(現オープンワーク)副社長を兼任。国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork(オープンワーク)」を展開。著書『THE TEAM~5つの法則~』(幻冬舎)は発売1カ月で6万部を突破(撮影/竹井 俊晴、ほかも同じ)

国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork(オープンワーク)」には、実際にその企業で働いた経験のあるビジネスパーソンの、リアルな声が蓄積されています。そこで今回は、オープンワークの多様なクチコミやデータから見えた働き方の新しいトレンドについて解説してください。

麻野氏(以下、麻野):ユニークなデータを、いくつか紹介したいと思います。まず私が印象的だったのは、ビジネスパーソンの「士気」について。正社員と非正規社員の間で違いがあるのかを調べたことがあります。

 働き方改革の一環で、2020年4月からは「同一労働・同一賃金の原則」が適用されるようになります。そこで「オープンワーク」に投稿された正社員と非正規社員の投稿を比べてみました。

 まずは下の4つの表を見てください。

■正規社員と非正規社員の満足度比較(全体)
※オープンワーク調べ
■正規社員と非正規社員の満足度比較(大企業の場合)
※オープンワーク調べ
■正規社員と非正規社員の満足度比較(中小企業の場合)
※オープンワーク調べ
■正規社員と非正規社員の平均年収比較
※オープンワーク調べ