原材料価格の高騰や急激な円安を背景とした物価上昇に伴い、企業に対する賃上げへの期待は高まっている。コロナ禍が続く中でも経済活動が活発になるにしたがって、人手不足は深刻になってきており、しっかりと利益を出し、従業員に還元できるかどうかが、人材確保においても分かれ目となりそうだ。このような経営環境を踏まえ、中堅・中小企業の経営にフォーカスした「日経トップリーダー」では12月8日(木)に「『賃上げ→人材獲得→成長』のサイクルをどう回すのか?」をテーマにした「大切にされる会社のつくり方」セミナーを開催する。今回のセミナーにも登壇する、『日本でいちばん大切にしたい会社』などの著書で知られる経営学者、坂本光司氏にインタビューした日経トップリーダーの特集記事の一部を再掲する。
 インタビュー 
坂本光司 氏 経営学者
「人件費を払うことを経営の目的にせよ」

『日本でいちばん大切にしたい会社』の著書で知られる経営学者の坂本光司氏。8000社を超える訪問調査を踏まえ、中小企業の賃金について、「年齢の15倍以上が目安」「社長の給与は社員の4、5倍まで」と具体的にアドバイスする。

<span class="fontBold">坂本光司(さかもと・こうじ) 氏 経営学者</span><br>1947年静岡県生まれ。法政大学大学院教授などを経て、現在「人を大切にする経営学会」会長。8000社以上の会社を訪問調査している。著書に『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ。近著に『会社の「偏差値」』などがある
坂本光司(さかもと・こうじ) 氏 経営学者
1947年静岡県生まれ。法政大学大学院教授などを経て、現在「人を大切にする経営学会」会長。8000社以上の会社を訪問調査している。著書に『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ。近著に『会社の「偏差値」』などがある

日本の中小企業の賃金が高くならないと言われて久しい状況をどのように考えていますか。

坂本:事実として企業規模を問わず、日本はこの20年間、平均給与がほとんど変わっていません。企業規模が小さくなればなるほど平均給与が低下する構図もそのままです。

 そんな中、海外諸国は賃金が伸び続けていたので、ドル建ての比較においては、日本は韓国よりも賃金が低い国になった。いずれ、中国から「安い仕事は日本に回せ」と言われる日が来るでしょう。そういう状態だということをまず認識する必要があります。

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