日本の国としてのクオリティーは、グローバルの視点から見ても非常に高い水準にある。何も、欧米諸国の考え方をそのまま受け入れる必要などない。日本は日本独自の発想で、経済を動かしていけばいいのだ。
そのためにも、社会の最も重要な経済ユニットである会社を、正しく評価できる指標を作るべきだろう。ROC(return on company)とでも言おうか。
株主資本主義で重視されているのはROEだが、株主の視点だけでは不十分だ。従業員への貢献度を見るなら、給料や福利厚生、教育なども考慮すべきだろう。顧客なら製品やサービスの安全性、取引先なら取引価格といった具合に、すべての社中に対して貢献できているかどうかを表せる指標が要る。
こうした考えに基づいて私は、名古屋大学大学院多元数理科学研究科の宇澤達(うざわ・とおる)教授と共に、数式を組み立ててROCを作れないかを検討している最中だ。
すべての社中に平等に利益を分配する。時間やコストのかかる研究開発事業でも、社会に必要とされるものであれば実施する。そんな善い会社を日本でたくさん生み出し、世界基準に育てられれば、世界はもっと豊かになる。
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