実際にあったケースで説明しましょう。「商品の陳列が雑だ。整えて!」「接客が丁寧じゃない。もっと深々と頭を下げろ!」。ある小売店チェーンで業績を伸ばそうと、社員に事細かに指示していた社長がいました。

 その後、社員は商品をきちんと陳列し、深々とお客に頭を下げるようになります。しかし、しばらくすると元に戻っていました。

残念な社員を一流に育てる最初のツボ

  • 1. 「社員の成長を心の底から願っている」と迷いなく言える
  • 2. 社員が新しい仕事にチャレンジして失敗しても、挑戦したこと自体をうれしく思う
  • 3. 仕事ができない社員に対して、残念な社員というレッテルを絶対に貼らない

社長の意識が変わったら部下が育った

 「人が育たないんです」。この社長から相談を受けたとき、私はすぐに例の質問をしました。「あなたは社員の成長を心の底から願っていますか」と。

 この問いに社長は、はっとしたようでした。自分の至らなさに気づいたんですね。それ以来、社員への接し方が明らかに変わりました。社員が新しい仕事に成功すると、自分のことのように喜ぶようになったのです。

 最初は社長の豹変ぶりに驚いていた社員も、次第に本当に喜んでいると分かり、社長の期待に応えようとワクワクして働くようになりました。

 自分で動く社員が育たないと嘆く前に、その原因は社長自身にあるかもしれないと疑うことから始めてください。

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