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マネジャー:「変化を機会として利用する」……。

老教授:社会、市場、お客様の環境の中で変化していることは何か、その中で、自社の事業に影響を与える変化は何か。これらを徹底して考え、その変化をビジネスにうまく活かすということです。

マネジャー:「変化」と言われても、対象が広くて漠然としていますね。どう捉えればよいでしょうか。

老教授:ドラッカーは著書「イノベーションと企業家精神」の中で、有名な「イノベーションのための7つの機会」を説明しています。

(1)予期せぬ結果(予期しなかった成功や失敗)
(2)「ギャップ」の存在
(3)「ニーズ」の存在
(4)産業の構造変化
(5)人口の構造変化
(6)認識の変化
(7)新しい知識の獲得

 の7つです。これらを糸口にすれば、「変化」を効率的に発見することができるという、かなり実践的なフレームワークです。今日全てお話しすることは不可能なので、最も着手しやすい、最初の「予期せぬ結果」について見ていきましょう。次の質問の答えを考えてみるところから始めると、何を意味するのか分かると思います。

 あなたの組織の営業会議で常に確認していることは何でしょうか?

マネジャー:当然、受注額や案件数、また見込み案件数、行動計画と実行結果の検証などですね。

老教授:予期していなかったクレームや失注、あるいは予期していなかった顧客要望などはいかがでしょうか。

マネジャー:数字にインパクトが大きいものは話し合いますが、あまり深くは話さないですね。とにかく結果が欲しいので、数値や事実優先です。

「予期しなかった結果」はチャンスの宝庫

老教授:「予期せぬこと」の機会分析とは、企業側が予期していなかった結果が生じた時、規模の大小にかかわらず、その結果の背景にどのような顧客側の要求変化があったのか、徹底して分析することです。些細なことでも、「お客様からこのような意外な質問をもらった」あるいは「商品が意外な使われ方をしている」などの現象を話し合う事で、顧客や市場で起きている「変化」が見えてくる事があります。