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※この記事は日経ビジネスオンラインに、2015年8月11日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。

 圧倒的な成果を出してきた「ダントツ社員」が昇進したとたん「ポンコツ課長」になってしまうことがあります。

 プレーヤーとしては一流でもマネジャーとしては三流になる場合が多いのです。名選手が名監督になるとは限らないと言われる通りです。

 それはどうしてでしょうか。以下の会話文を読んでみてください。

●人事部長:「横塚を課長にするかどうか悩んでいます。社長はどうお考えですか」

○社長:「横塚の件か。悩ましいな。入社して7年、2年目から営業成績は常にトップ。おまけに新しい商品を開発してヒットさせた。実績は圧倒的だ」

●人事部長:「はい。去年まで3年連続で社長賞です」

○社長:「今年も横塚しかいないな。ほかの社員に社長賞を出したら誰も納得しない」

●人事部長:「そうなりますと4年連続で社長賞を取ったのに平社員でいいのか、という話になります。ほかの部長からもそう言われています」

○社長:「まだ30歳だが課長にしても誰も文句は言わないだろうな」

●人事部長:「あれだけ成果を出しても課長になれないとなると、誰も課長になれないのか、と勘違いする若手が出てきかねません」

○社長:「だが横塚を課長にしたら部下をつけなければならない」

●人事部長:「当然そうなります……」

○社長:「横塚に部下はつけたくない」

●人事部長:「同感です。部下の育成はできないでしょう」

○社長:「横塚のやり方は凄い。お客様を虜にするオーラがある。誰も考えつかないようなアイデアを出して新商品を作れる。だが、全く再現性がないから、部下の指導など不可能だ」