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マネジャー:確かに、私の会社でも、利益やノルマの縛りを厳しくすると、一時的に受注や契約は増えても、その後思わぬクレームや契約解除につながる例も多いです。それが、「富の増殖機能」が破壊される、という状態なのでしょうか。

老教授:そうかもしれません。「サービスの質」「営業担当者の知識の豊富さ」「ブランディング力」「デザイン力」「利便性の高い機能設計力」「徹底したコスト削減能力」など、成功してきた会社には、その会社独自の「富の増殖機能」があったはずです。それら、自分たちが力を注ぐべきことよりも、利益や数字のことが第一目的になってしまうと、結果的には、求めていたはずの業績も悪化していくということです。

マネジャー:では、マネジャーは、現場では何を優先して、部下を率いていくべきなのでしょうか。

老教授:あなたの会社が、真に顧客に支持される「根源的価値」を部下の皆さんとしっかり話し合うことだと思います。組織の強みや価値が何かを見極めた上で、それを営業現場や開発現場で体現していくのです。もちろん、利益のことを考えないというわけではなくて、価値を体現した結果としての大切な利益も厳密にチェックしていくことは必要ですが。

マネジャー:確かに、利益指標に逃げていた自分がいた気がします。まずは、自分たちの本当の強みや他社との違いが一体何かを、部下と話し合ってみます。

老教授:それが、部下の皆さんの「創造性」「誇り」を高めて、さらに良いサイクルにつながっていくと思いますよ。

マネジャー:先生、ありがとうございます。また一歩、前に進めるヒントをいただきました。

老教授:良い質問をしてくださったおかげで、今日も有意義な対話ができました。また次回お話しできるのを楽しみにしています。