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「一般教養としてジェロントロジーを普及させたい」

﨑山さんはジェロントロジーという、日本ではあまりなじみのない学問を研究なさっていますね。

﨑山:日本では「老年学」「加齢学」などと呼ばれており、医療や介護、それからアンチエイジング・美容の分野で研究がなされています。しかし、欧米諸国ではもっと幅広く、年金問題のような社会政策や心理学などを含めて研究が進んでいます。

 大学での専門研究も、米国では1989年に南カリフォルニア大学老年学専門大学に初めて老年学博士課程が設立されて以来、40以上の大学で博士課程が設けられています。これに対し、日本では桜美林大学大学院に老年学専攻があるほかには、東京大学が横断的な教育を行っている程度です。

今後、ますます高齢化社会へと進む中、ジェロントロジーを学ぶことは重要になってくるでしょうね。

﨑山:私は現在、産業ジェロントロジー研究会の代表を務め、管理職研修や経営者向けの講演会などを開いています。日本でも医療・介護の分野の研究にとどまらず、シニア層を企業の戦力としてどう活用するかといったビジネス的な視点で、もっと活動を広げていきたいと思っています。

 また、ビジネスの視点でシニア層を捉える場合、自社の従業員というだけでなく、当然、顧客であるシニア層にどう接するかというテーマもあります。体は誰でも衰えるもの。仕事のマナーとしてだけでなく、一般教養の1つとしてジェロントロジーを普及させたいと思っています。