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会議で議論をどうさばくか?

 私が苦労したのは、会議中に発言を引き出したり、議論が発散してきたところをまとめ直したりする「議論のさばき方」でした。議論をさばくには、大きく4つのポイントがあります。

1.発言を引き出す
2.発言を共有する
3.議論を方向づける
4.結論を出し、アクションに落とす

 発言を引き出すためには、あらかじめいくつかの質問を用意しておきます。相手が会議の目的を理解し、自分から発言してくれる人であれば自由に話してもらえばいいのですが、そうでないときのための仕込みです。

 参加者の顔を思い浮かべながら、この人からどんな発言を引き出したいか考えて、質問を用意します。例えば、新商品開発のブレインストーミングであれば、研究所の人には、「今、どのような研究がこの領域で流行っていますか?」など、YES/NOで答えられない質問を用意します。

 私が特に悩むのは、参加者それぞれからの発言の引き出し方です。全員をよく知らないときには、特に時間をかけて準備をしています。

 その人について、事前にどうやって調べればいいでしょうか?

 同期や部下、上司へアプローチできるケースであればいいのですが、アプローチできない場合は、どういうことを考えそうか、経歴をたどりながらいろいろと考えていきます。その中で、本音と建て前をどうやって見極めるか? そのためにはどういう質問にしたらいいのか? ということを考えて、質問を作っていきます。これが出来ていないと、行き当たりばったりの会議になってしまい、結局欲しいものが引き出せなかった……ということになってしまいます。

 そして、引き出した発言をまとめて皆と共有します。これは、グローバルな環境で会議をする場合は不可欠なステップです。文化的背景が異なると、同じ意味としてとらえられていない可能性が非常に高いからです。日本人同士でもお互いのバックグラウンドが違うと、認識のレベルが異なることが多いので、このステップは必ず入れています。「○○さんは、××とおっしゃいましたが…」という一言でもいいので、まとめて、共有し、理解されているかどうかの反応を見ます。

 議論をさばいていく中で、私は「発言を共有する」というポイントが得意でした。以前いた会社の上司は、「女性の方が人の表情や態度からより多くの情報を入手し、人間関係を把握しようとする能力が高いので、秋山はそれをフル活用できているんだろう」と言われたことがあります。こう言われて以来、自分が得意な領域の1つとして伸ばすようにしてきました。

 グローバルな環境において、この能力は特に重宝しました。例えば、米国人とインド人と中国人が議論している場で、「この点は3国に共通で、この部分は全員がミッションとして共有できますね」とシェアした後、アクションプランをまとめていくという動き方をしたところ、高く評価されました。