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 「8時間会社にいれば給与がもらえる。ワークライフバランスだから残業をしない。定年まで従業員に給与を払うのが企業の責任--などというのは間違った認識です。管理系(経理、人事、総務、広報)の人たちは、売り上げに貢献しづらいといいますが、会社の内部がわかるのだから、経費削減を進めたり、営業や開発部門の社員が仕事をしやすいようにするために提案するという積極性が必要です」

解雇通告なのか、退職勧奨なのか確認する

 リストラ対象になってしまった場合は、「はい、わかりました」と簡単に受け入れてはいけない。冷静に対応しよう。まずは、解雇通告なのか、退職勧奨なのか確認する。

 もし退職勧奨ならば、「会社からのお願い」であるから、応じるかどうかは社員の判断だ。退職意思がなければ退職する必要はない。人事権者と面談した際には、経営不振などの会社都合の勧奨なのか、勤務成績が良くないなど個人的な理由による勧奨なのか、退職勧奨の理由を確認しておくとよい。

 退職勧奨が始まったら、その内容を文書の形で残しておく。いつ・どこで・誰と・どんな内容の話をしたかも記録し、可能であれば録音するのが望ましい。その後に、違法な退職勧奨かどうかについて会社と争いになった場合に重要な判断材料になる。仮に、退職勧奨を受け入れることになったときにも、有利な退職条件を引き出すための材料として使える。

 会社側の意思を確認したが納得がいかない、あるいは会社側が話し合いに応じないといった場合には、労働組合に相談しよう。社内に労働組合がなかったら、企業の枠を超えて個人加入できる「東京管理職ユニオン」や「連合東京ユニオン」などに加入するのも手だ。また、労働組合は労働者が2人以上集まればいつでも自由結成できる。行政機関への届け出や会社の承認も不要で、職場の仲間を誘って結成することが可能だ。会社側は労働組合との話し合いを拒めないので、自分の主張をする機会は必ず得られる。

 退職勧奨で、会社とトラブルになってしまった場合は、都道府県の労働局や地方自治体の相談窓口などを活用することをお勧めする。費用や時間があまりかからず、当事者同士の話し合いで早く解決することが多い。会社側に悪意を感じたような場合にも、労働基準監督署に相談することが効果的だ。捜査権があるので、悪質な場合は立ち入り調査をしてくれる。

 解雇ならば、社長や人事部長など人事権を持つ人が、日付を特定して明確に労働契約の解除を通告してくる。ただ、会社は簡単に社員を解雇できない。通告された場合にはまず、法律で定められた「禁止されている解雇」に当たらないか確認することが大切だ。

 次に、会社の示す解雇理由が事実かを確認する。仮に事実だとしても解雇に値するか、就業規則などの根拠を示してもらう。

 例えば、「仕事上のミスが多い」という理由で解雇を通告された場合は、以下のようなことを確認する。

  1. どんなミスがあったのか
  2. そのミスは解雇に値するのか
  3. ほかに同じようなミスをした社員はいないのか(なぜ自分だけ解雇されるのか)