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営業日報はPDCAに役立つか

○営業部長:「まず、部員全員に営業日報を毎日書かせています。日報は営業マネジメントの基本だと思っていますので」

●専務:「なるほど。営業日報はPDCAサイクルのどの部分に当たるのかね」

○営業部長:「そうですね、やはりチェック、Cだと思います」

●専務:「何をチェックしている。営業日報で」

○営業部長:「何をって……色々なことが分かります。日報を見れば」

●専務:「君はすぐ『色々』と言うな。頭が整理されていない証拠だ。目標を達成するためのプランニングをし、そのプラン通りに実践し、定期的にチェックする。これがPDCAサイクルを回すという意味だ」

○営業部長:「はい」

●専務:「つまり、チェックする点がプランに入っていなければならない。チェックする点が色々あるなら、プランも色々あることになる。営業目標を達成させるための君のプランは一体何だ」

○営業部長:「えーっと、それは色々、あっ、……。申し訳ありません。専務が仰る通り、頭が整理できていないようです」

●専務:「営業戦略や行動計画が曖昧なままで、日々の営業活動のチェックだけしようとするのは、おかしいだろう」

○営業部長:「言われてみると、そうですね」

●専務:「営業日報を書いている営業本人も、プランが見えなければ、チェックした結果を書けないだろう。そんなことを続けていても自分を自分でマネジメントする習慣など身に付かない。営業日報などやめてしまったらどうだ」

○営業部長:「ええっ。そういうわけには……。営業日報の提出はずっとやっていることですし。日報があることで結果が出ているところもあります」

●専務:「例えば」

○営業部長:「そうですね。この間、ある営業が顧客訪問の結果を書いてきたのですが、担当役員に会えたそうで、その役員をたまたま私が知っており、それをきっかけに一気に商談を進めることができました」

●専務:「それは御苦労だった。だが、その結果と営業日報を続けることの関係が全く分からん。そういう説明を『偶然の必然化』もしくは『根拠なき断言』と呼ぶ」

○営業部長:「こ、根拠なき断言ですか」

●専務:「改めて聞くが何のために営業日報を書かせているのかね」