少々近い話ですが、渋谷のウインズ(JRAの場外馬券売り場)なんかも、毎年どんどんやばいような感じになっております。

:競馬は一時、ナイター競馬なんかでデートコースになっていたはずでしょう。

小田嶋:でも今は風景として泪橋な感じだよ。ウインズで場外馬券を買っている人たちって、服装が色としてはグレーか黒で、男比率99%で、年代は35歳上からから60歳ぐらいで、たばこを吸っている率が一般社会より10倍ぐらい多い感がある。なんか社会と時空がずれている。

:TUGBOATは、競輪協会の競合プレゼンに参加して勝ったんですよ。それで制作したCMがあるんだけど、それは選手一人ひとりが人生のことを語っているやつなんだけど。

小田嶋:あれ、面白いよね。

:面白いでしょう。あれは麻生(哲朗)が企画したんだけど、まず俺たちも競輪に行ってみないと分からないよ、ということで、競輪場に行って。

小田嶋:驚いたろう。

:驚いたね。

小田嶋:俺は昔、競輪でなくて競艇に行って、驚いたね。

:競艇はもっとすごい。

小田嶋:俺、何も知らなかったからさ、競艇って涼しげで夏の娯楽にいいんじゃない? って、女の子と行ったのよ。

クリエイティブディレクター 岡 康道氏

:川崎?

小田嶋:いや、戸田。デートコースに使えるんじゃないかと思って。そうしたらね、女の子が1人もいなくてね。

:すごいよ、あれも。

小田嶋:すごい負けムードが漂っていてね。帰り、「負けバス」じゃない、あれ。で、あれに乗ることは不可能だなと。しかも、女連れなんかで乗ったら、何をされるか分からないな、と本気で怖気づいて、とぼとぼと歩いて帰ったことがありましたよ。

:僕が競輪で驚いたのは、選手の苗字を叫ぶことなんだよ。みんな、小田嶋、小田嶋、小田嶋、小田嶋~~っ、とか叫んでいるわけ、小田嶋に賭けたやつは。これ、人の名前だからリアルなわけよ。

小田嶋:それ、競馬と何が違うかというと、競馬はとりあえず休日開催で、だからサラリーマンさんが、ウイークデーに働いて、日曜日にちょこっとレジャーをするよ、というような雰囲気がまだちょっとある。だけど、競艇とかって平日開催だから、みなさん、お仕事はどうなっているんですか、と。

相対的にシビアな方々が多くなるわけですね。

小田嶋:そうです。だから平日開催のギャンブルは1段やばいです。

:あと競輪ってさ、出身地。徳島県出身者が3人いると、それがチームになっているんだよ。

なんか国体みたいですね。

小田嶋さんから巻き上げました

:そうなの。それで戦いが、徳島対、香川対、佐賀対、三重みたいになっていくわけ。そうすると、この三重の3番目が速いから、こいつを生かすために1番、2番が死んでいくだろう、みたいな推理を、出走表を見ながら巡らせる。だから、かなり高度な推理ゲームをしているんだよね、別の角度から言うと。

なるほど。結構それは面白そうですね。

:うん。だから競馬をやっているやつが競輪に来たら、競馬よりこっちの方が面白いと言っていた。

ちょっと小田嶋さんがはまってもおかしくないような。

小田嶋:いや、俺は全然、ギャンブルは。昔からギャンブルで勝ったことがないし。昔、岡に車1台取られたことって、話しましたっけ?

新ネタです。

小田嶋:これは嫌な話なんだ。

:はっはっは。だったら僕が言いましょう。あのね、小田嶋とマージャンをよくやっていたでしょう。僕のオヤジが倒産してから、僕はより頻繁にやるようになって。まあ、必死にやって強くなって、それで金を取るわけだけども。ただ3000円とか5000円とか、いちいち金を取ると面倒だから、小田嶋にはまとめて貸しにしておくよ、と。で、ある時から、小田嶋が乗っていたスカイラインの絵を壁に貼って、金額に応じてこれを塗っていったんですよ。

小田嶋:総額10万か何かで、今日はインパネを取ったぞ、とか。お前、フロントに来ちゃったぞ、とか言って。

:そして最後に全部塗りつぶして、僕は車を小田嶋からもらった。

小田嶋:もともと兄貴が中古で買ったスカGで、兄貴が就職して置いて出ていったから、俺がタダでゲットしていた車なんだけど、岡は当時、おやじが倒産してハングリーだったから。

:強い、強い。

小田嶋:最後はキーを渡して、分かったよ、と。

:俺、駐車場なんかなかったじゃない? だから図書館の駐車場の柵を壊しちゃって、図書館が終わってからそこに止めていた。それで、朝は図書館の人が来る前に車をどかしていた。いわば、空白の時間を利用していたね。

かえって面倒なような。

小田嶋:あれ、2年ぐらい乗ってたの?

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