※この記事は日経ビジネスオンラインに、2015年3月6日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。

 「なんで私は昇進できないんだろう?」――。

 仕事で成果も出しているのに、昇進につながらないと悩んでいる女性の方々が少なからずいます。

 先日、金融機関とメーカーに勤める女性キャリア組から、相談を受けました。「私たち、こんなに成果を出しているのに、なんで昇進できないんでしょう? いったい何が足りないんでしょう?」と、ずいぶんお悩みの様子でした。

 今では、女性に不可欠なリーダーシップ・スキルについてのさまざまな書籍、それに研修があります。シニアマネジメントを目指す人なら、「アサーティブ(相手を尊重した上で自分の意見を伝えること)」や「メンバー育成のためのコーチング」のスキルや、「ロジカル・シンキング」など、女性幹部社員に必要なスキルや知識のトレーニングをいろいろと受けてきていると思います。しかし、そういうコースを受けて、仕事で成果も出しているのに、昇進に結びつかない。そこで悩むわけです。

口先だけに見える人がなぜ出世する?

 私も30代前半の頃、いろいろなマネジメント研修を受けた後に、自分の勤めている会社のシニアマネジメントの人たちや、おつきあいのある企業の経営層の人たちを見て、「研修や書籍で学んだリーダーシップ・スキルだけでは足りないのでは?」という疑問を持っていた時期がありました。

●役員のK氏は、どう考えてみても、社長の腰巾着でしかない。社内では、社長の飲み友達だから昇進したって言われていたけれど、彼が役員になった理由は絶対に何かあるはず。

●役員のI氏は、実務能力は全くなく、チームの成果や他人の成果を横取りしてのし上がって行ったと社内で有名な人でした。では、なぜ役員になれたのか?

●U氏は数百億円単位の損害を会社に与えたにもかかわらず、なぜかまだ役員のままです。降格されることもなく、クビになることもなく、毎日ひょうひょうと会社に出社している。それはどうして?

 マネジメント層のそれぞれを観察し続けていくと、マネジメントとして企業の中で出世して行き、生き残って行くには、ハードスキル(体系だった知識、理論や手法を座学や書籍などによって習得)だけではない、他の要素が見えてきます。

 それは、一言でいえば「存在感(Presence)」、つまりシニアマネジメント層に対する存在感です。混同しやすいのですが、「影響力」とはちょっと違います(影響力の作り方については、いずれご紹介します)。

 そこで今回は、「シニアマネジメントになるための存在感とは何か」を考えていただくためのヒント、そして存在感を持つためのポイントをご紹介します。

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