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※この記事は日経ビジネスオンラインに、2015年12月8日に掲載したものを転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。

 「目標予算を絶対達成すべし」「目標を達成するのは当たり前」

 営業のコンサルタントをしている私の持論です。ところが「絶対達成」と申し上げると「それはパワハラでは」と言い返されることがあります。

 経営者や上司が社員や部下に対し、「目標未達の奴など生きている資格がない」「達成するまで自席に座るな」などと執拗に言い続けたとしたら、これはパワーハラスメントと呼ばれるでしょう。

 私が言う「目標の絶対達成」とは、約束した時刻に待ち合わせ場所へ行くことと同じです。9時に会うと約束したら9時ちょうど、あるいは9時より前に行こうとするでしょう。それは当たり前のことです。遅刻したら死ねと罵倒しているわけではないのです。

 ところで「パワハラでは」と言い返されると、私は「あなたの言っていることこそパワハラでは」と思ったりします。

 やる気のある部下に「仕事はほどほどでいい。なぜそんなに頑張ろうとする」「目標達成だけがすべてではない。無理はしなくてよい」と上司が執拗に言い続けたとしたらパワハラではないでしょうか。

 私はこれを「新型パワハラ」と呼んでいます。どういうことなのか、今回のバトルを読んでみてください。

●人事部長:「社長、当社に『新型パワハラ』が横行しているようです」

○社長:「なんだ、その『新型パワハラ』っていうのは。だいたい、うちの中間管理職にそんな元気のいい奴がいたか。3年前、親会社からここの社長に来て驚いたが、やる気のない部長とか課長ばかりじゃないか」

●人事部長:「はい。それが問題でして。ご存じの通り、最近の若い子はすごくやる気があります。目標達成意欲が高いですし、自己研鑽しようとする意識もとても高いのです」

○社長:「その通りだ。君たち人事部が頑張ってくれたおかげで、この2~3年、本当にエネルギッシュな若いジンザイが当社に入ってきてくれた。ジンザイのザイは材料ではなくて財産の方だな」