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※この記事は日経ビジネスオンラインに、2014年7月2日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。

 マネジメントとして最も必要なスキルは「健康」――。

 確かにその通りだと思いますが、「100%健康です」と胸を張って言える人はそんなに多くはないでしょう。私の周囲には、非常に優秀な経営者やマネジメントが多くいますが、多かれ少なかれ体の不調を抱えながらうまく仕事を回しています。私自身“健康優良体”ではありません。

 どんなに気を付けていても、体調が悪くなることは必ずあります。健康管理に限らず、トラブルが起きることは仕方のないことです。起きたことをどうマネジメントしていくのか、これ以上悪化しないように、改善の方向に持って行くのはどうすればいいのかを考え、行動していくのが肝要です。これは、体調に限らず、仕事や人生に起きるすべてのことに言えることでしょう。

 年と共に体力が衰え、体調不良が出てくるのは自然現象ととらえる。100%健康体を目指すのではなく、仕事に大穴をあける倒れ方をせず、不調をコントロールし、不調に陥ったらそこから素早く立ち直る。リスクは常に存在するので、リスクマネジメントをしながら仕事を回していくやり方を身に付けることをおススメします。

 マネジメントの体調管理は男女を問わず必要なことですが、女性の場合はホルモンバランスによる自律神経や婦人科系のトラブルといった問題があり、よりデリケートな体調コントロールと、体調が悪いときに周りとどう接するかといった問題が発生します。

 そこで、今回は「健康管理」について考えていきたいと思います。

働き過ぎて体を壊した20代

 20代にIT系企業に在籍していたころは、めちゃくちゃハードな働き方をしていました。学生結婚をしたものの、24歳で離婚した私は、仕事で成長をして一刻も早く1人前になって、収入を得て生活の基盤を作ろうと必死でした。このため、人よりも多く働いても仕方ないと思っていました。

 当時は、大型システムのカットオーバーに間に合わせるために、夜中の1時か2時ごろまで仕事。「今日はそろそろ終わりにしようか?」の部長の一声で、きりのいいところまで作業をして帰宅。シャワーを浴びて、倒れ込むようにベッドへ。朝7時に起き、7時半に家を出て、8時30分から勤務開始、という日々が続きました。

 トラブルが起きると、会社の会議室に男女分かれて段ボールを敷いて寝袋で仮眠しました。そして、翌朝、マネジャーに起こされて、朝食が配られ、そのまま作業に入りました。

 半年近くそういう生活を続けていたら、体調を崩し始めました。夜の11時過ぎに体調が悪くなり、近くの救急で点滴をしてもらいながら朝まで仮眠し、会社に戻ったこともありました。今から考えれば異常な事態ですが、当時は、先輩も同期も同じように、夜中まで働いて、体調が悪ければ救急に行きながら、会社生活を送っていました。そのため、それが“社会の当たり前“なんだと思い、私だけ「具合悪いんで6時に帰ります」とは言い出せなかったのです。

 仕事がなくなることの不安感、システムが動かなければ会社が非常に困るからエンジニアとしてなんとかしなきゃという責任感、疲れすぎて何も考えたくないという無気力感など、いろいろな思いが絡まり、現状を変えられなかったのです。