そして、次回のセッションで各メンバーの実践結果を共有し、未解決の課題に対してセッションを行います。このプロセスを、3カ月、半年、1年などと、一定のプロジェクト期間を設定して実行していきます。最終の結果報告は、社長や経営層に対して行うのが一般的です。

 このように、アクションラーニングはそのプロセス自体がPDCAのサイクルを内包しており、それを個人ではなくチームで推進することで、個人で行うよりも着実に実践し結果を出すことができるのです。アクションラーニングの利点は、個々の課題を個別に対応するだけでなく、各メンバーが相互に支援し合うことがプロセスの中に含まれていることにあります。加えて、各自が取り組む課題は他のメンバーにとっても共通点が多く、実践結果や解決策を共有して協働していくことで密度の高いチーム学習を可能にします。

 ここで選抜されるリーダーは、社内でも優秀な評価の高い人たちが中心となります。チームの数は、大きなプロジェクトになると10チームを超えますから、1チームが3時間で3つの課題、10チームで30の課題が一度に扱われることになります。

チーム力を阻害している典型的な要因とは?

 数百回以上に及ぶこのようなセッションを通じて、鮮明になったことがあります。それは、「どのような課題であっても、深掘りされた真因が人為的な問題に帰着する」ということでした。少し難しいかもしれませんので具体的に説明しましょう。例えば「部下の業績貢献にばらつきがありすぎて困っています」という課題を「なぜ? なぜ? なぜ?」と質問することで深掘りしていくと、「リーダーが部下の育成に本気で取り組んでいない」や「部下に興味、関心がない」といった、リーダー自身の姿勢が真因であることにたどり着くことが多いのです。

 組織の課題には「業績が改善できない」「ビジョンが浸透しない」など様々なものがありますが、結果的に全課題の80%以上が人為的な問題を真因としていたのです。しかし、大多数の問題が人為的な真因である一方で、やり方を改善することで解決できる場合もあり、なぜそのような違いが起こるのかについて、研究を深めるきっかけになったのです。そこで私たちは、表面的な課題である「現象」と本当の課題である「真因」に、何らかの法則に従った因果関係があるのではないかと仮説を立てました。この研究で行き着いたのが、「チームビルディング」の成長プロセスでした。

この記事はシリーズ「もう一度読みたい」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。