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※この記事は日経ビジネスオンラインに、2014年1月14日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。

 チームリーダーにとって、チーム創り、すなわちチームビルディングの知識や実践的活用能力は必須のスキルと言えます。 しかし、なぜそうなのか、疑心暗鬼のみなさんも多いのではないでしょうか。そこで、まずはみなさんに衝撃的なデータを紹介しましょう。

 日本企業の80%以上の組織が機能していない

 これをみなさんは大げさだと思いますか? 自分のことに置き換えたとき、あなたの組織はチームとして機能していると自信を持って言えますか?

 チームとして機能している組織と、チームとして機能していない組織には、どんな違いがあるでしょうか。一言でいえば、「チームシナジー」を生み出せているかどうかということです。チームシナジーとは、1人で課題に対処するよりもチームで対処したほうが、相乗効果によって大きな成果が生み出せることを意味します。これこそが、チームとしての価値を判断する基準となるのです。

 では、そもそも「なぜ私たちは組織を創るのでしょうか?」。 私はこれまで、セミナーなどで多くの経営者やリーダーのみなさんにこの問いかけをしてきました。

 主な回答を挙げると、「1人では決してできない大きな成果を生み出すため」「個々の強みを活かして、ブレークスルーや斬新なアイデアを生み出すため」「一体感や達成感をみんなで共有し、大きなモチベーションを創るため」「共に信頼できる仲間と切磋琢磨して、互いに成長するため」などなど。それぞれが本当に素晴らしいものでした。

 私はさらに「みなさんの組織は、ここで挙げたチーム創りの目的通りに機能していますか?」と質問することにしています。この質問をして挙手をお願いすると、30人くらいの受講者のうち、手が挙がるのは2~3人といったところでしょうか。みなさん、答えに困ってしまうわけです。

 確かに、ここで挙げられた回答は組織の理想にすぎません。しかし、「なぜ組織で仕事をするのか」を改めて考えてみると、それは暗黙の了解として「個人では創り出せないチーム力、チームパフォーマンス」の創出を期待しているからではないでしょうか。我々はそのために組織を創り、会社に貢献しようとしている。であれば、形だけの組織を創るのではなく、チームとして成果を創出しなければなりません。そうでなければ、そもそもチームなんて必要ないということになります。

 セミナー参加者のみなさんには、こんな問いかけもしています。

 「仮にみなさんのチームの人数を5人とし、全員が持てる力を100%出せているときのパフォーマンスを5とします。このとき、現在のみなさんのチームのパフォーマンスは直感的にいくつになりますか? みんな頑張っているわけだから、5になりますか?」と。

 興味深いのは、チームの本質やチーム創りの理論について説明した後にこの質問をすると、「5」と回答する人は皆無だということです。「メンバーのモチベーションが落ちているから、1人当たり0.5かなぁ…」「メンバーの2人はメンタルに問題があってカウンセリングを受けているから…」「若手や未経験者ばかりで指導に追われていて、パフォーマンスと言われても…」「そもそも、うちの組織はチームとは言えない…」など、チームシナジーどころか、チームとして体をなしていないことを表すような回答が続出します。