岡:みなさん、もう一度レントゲン写真をご覧ください。ここに19本のホチキス跡が認められるのは、お分かりですかね。
それはつまり「19針」ということなんですか。
岡:いや、縫っているのであれば、もっと数が行くでしょう。この怪我は尋常じゃないよ。すごい怪我ですよ。
小田嶋:結構ひどい。
岡:うん、ひどい。
若い人だったら、ここまでいかなかったですか。
小田嶋:大したスピードを出していたわけでもないのに、こんな怪我をしちゃうというぐらい、もともとの骨がだめだったんじゃないか、というのはある。
岡:でも、どうすればよかったんだろう?
小田嶋:足の着き方がよくなかった、ということは、大いにあるんじゃないかと思う。
岡:あるいは、足の着き方が悪かったにしろ、靴底がもっと滑ればよかったんだよ。あまりにもガチっと地面にとられてしまった、というか、それ、何と表現すればいいの?
小田嶋:スニーカーの「接地」がよかったんだよ。
岡:そうそう「接地」。接地がよ過ぎた。
高機能のスニーカーでも履いていたんですか。
小田嶋:いや、普通のランニングシューズですよ。
岡:でも、ランニングシューズは普通、滑ったらとても危ないよね。
小田嶋:そもそもロードバイク的な自転車の細いタイヤは、石畳みたいなところで、すごく滑るの。アスファルトだったら、ある程度の透水性があって、水が表面にそんなに溜まらないけれど、石畳は水が溜まって鬼門なんですよね。そして、そこから先の話が、すごく面白いんだけど。
親友は危機を嗅ぎつける
岡:あははは。
小田嶋:こいつがね……。
また何かやってくれたんですね。
岡:ちょうど折れた瞬間というか、折れた直後ね。
小田嶋:そう。俺が足を折って、皇居のお堀に架かる竹橋のたもとで、その柱に背中をもたれさせて、「痛たたた……」とひざを抱えていた時、ズボンのお尻がズズズーッと鳴ったんだよ。
一同:(やっぱり来た)
小田嶋:こんな時に電話かよ、と思って、うううっと取り出したら岡なんだ。
一同:(!!)
小田嶋:やっぱり嗅ぎつけるよな、こいつは、と。
岡:あははは。
そもそも、そんな緊急時に小田嶋さんは体をひねって、律儀に電話に出たんですか。
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