そういう状態って、人体的にアリなんですか?

:アリなんですよ。

小田嶋:まあ、治すに越したことはないんだけど。

:たとえば、内側と前十字靱帯を修復する時には、太ももから筋肉を移植するんですよ。

え、痛そ。

:それは当然、痛いだろう。まあ、でも、それはいい。ただし、その時に尿道カテーテルをやりますよ、と。それを経験したヤツの話だと、「カテーテルを入れられる時は、全身麻酔中だから問題はないです。だけど、抜く時は麻酔が切れていますよ」、と。「あの、カテーテルを抜かれる時の苦しみったら、靱帯を切った時よりもよほどひどかった」というのを聞いていたから、僕は「ちょっと待ってくれ」となったんです。

で?

:尿道カテーテルをやるんだったら、僕はもう靱帯はあきらめちゃう、と。

あきらめちゃうって、それでよかったんですか?

:靱帯がなくたって、別にもう選手じゃないから構わない、と。それで、内側と前十字靱帯は切れたまま暮らしています。

小田嶋:靱帯に関しては、いろいろ調整はできるのよ。サッカーの城(彰二)選手も前十字靱帯がないですからね。

:でも、あった方がいいに決まっているけどね。

スニーカーの性能が良すぎたか?

小田嶋:今回、岡にその尿道カテーテルの話を聞いていたから、正直、俺もビビっていたんだよ。でも、やってみたら、そんなに痛くもなかった。岡の知人がやったころより、大分、技術が進んでいることは確かだよ。

それにしても、小田嶋さん、おいたわしい……というか、なんか足を机に投げ出してエラそうじゃありません?

小田嶋:いや、これは医者に推奨されているポーズなのよ。取りあえず骨が付くまでは、足の曲げようがないわけだから。

:なぜなら、ひざの手術だけで5時間ですから。

5時間!

小田嶋:だってさ、ひざのプレート(いわゆるお皿ですね)が割れて、下に脱落していたのを取り除いて、人工のプレートを入れて、ホチキスみたいなもので止めているわけだから。本物のプレートがガタッと落ちた時に、骨の柔らかい部分も陥没しちゃったしね。俺は今、腰にも手術跡があるんだけど、ここを開けて、骨盤の中にある腸骨から骨移植もしたのね。(←この概要についてはご本人談なので、事実かどうかは保証できません。悪しからず:編)

予想以上に壮絶なお怪我ですね。

小田嶋:プレート1個にさ、ボルトが9本入っているんだよ。

:もちろん全身麻酔だよね、これ。

小田嶋:意識を失っているうちに、剥離していた内側靭帯をあれして、これして、引っ張ったりしてもらったわけだ。

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