本記事は2015年10月19日に「日経ビジネスオンライン」の「人生の諸問題」に掲載されたものです。語り手の岡 康道さんが2020年7月31日にお亡くなりになり、追悼の意を込めて、再掲載させていただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

(日経ビジネス電子版編集部)

 小田嶋隆の永遠の故郷、赤羽を歩いた前回。次も赤羽で会いましょう、と固く約束を交わしたチームでしたが、どういうわけか東京は飯田橋という“アウエー”で、顔を付き合わせることになりました。

何なんですか、この“財前部屋”は!?

小田嶋:ははは……。

 そうなのだ。小田嶋隆は3月某日、都内を自転車で走行中、ころんで骨折。某病院に運び込まれ、そのまま長期入院という事態に陥ったのである。今回、我々「人生の諸問題」チームは、その入院先で対談を続行。オダジマ先生のために病院がご親切に用意してくださった部屋が、こちらなのである。

小田嶋:いや、やっちまいました……。

いったい、何をやらかしたのですか。

小田嶋:要するに竹橋(皇居の近くの地名)で転びました。転んだところから説明すると、千鳥ヶ淵から竹橋に抜ける、くねくねした道があるじゃないですか。

地図で見ると皇居の北側の、ショートカットの道ですか。

小田嶋:くねくねしている道なので、車道を走るのは怖い。だから、歩道の方を走っていた。それはよかったんだけど、下り坂で、雨がぽつぽつ降り始めていて、これは自転車を乗り捨てて帰るパターンか、と迷いながら走っていたんだよ。で最後、坂を下りきって、竹橋にかかった時に、対岸の信号が赤だったから、ブレーキをツッとかけた。そうしたら、ブレーキがちょっときつ過ぎたんだ。

焦っていたの?

小田嶋:いや、要するに繊細さを欠いていたんでしょうね。そうしたら自転車の後輪が、つーっと外に流れたわけだよ。それで左足をどんと地面に着けたら、足は着地しているんだけど、後輪がどんどん外側に流れていく、と。

:となると、ひざは内側に入らざるを得ない。

小田嶋:そう。ひざをねじった感じのまま、後輪が外に回転していった。ということで倒れて、これは痛いぞ、ということで。

:みなさん、この写真をご覧ください。

あ、財前教授。

:ここに見える骨が上側、下側ですね。そして、こっちが外側、内側ですよね。ということは、これは靱帯を断裂していますね。

なるほど、的確なご診断ですね。

編集Y:白衣を持ってくればよかった。

:やめてよ。どうして僕が白衣を着なきゃならないのよ。

ご診断が妙に堂々としていらっしゃいますので。

:僕は若いころから、何度かひざの靭帯を切っていますからね。いちばん最近は数年前、シニアのアメリカンフットボールをやっていた時。すでに内側の靱帯は若い頃に切ってしまって、現在はつまり内側と前十字の2本が切れたまんまなんです。

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超・反知性主義入門
日本に漂う変な空気、閉塞感に辟易としている方に、「反知性主義」というバズワードの原典や、わが国での使われ方を(ニヤリとしながら)知りたい方に、そして、オダジマさんの文章が好きな方に、ぜひ。

 おかげさまで各誌書評でも大好評、増刷決定!の『超・反知性主義入門』。ちょうど今回の記事の中で書かれている、小田嶋さんが入院した時期のコラムも入っております。オダジマさんの高校時代の同級生、森本あんり・国際基督教大学副学長との2万字に及ぶ「日本人と宗教、そして反知性主義」をテーマとした対談も収録。こちらはさすがに退院された後でした。この『超・反知性…』の元となった当サイト連載の「ア・ピース・オブ・警句」の筆者、小田嶋隆さんのもうひとつの顔、というか、油断しきった素顔をさらしているのが、2007年からはじまった日経ビジネスオンライン屈指の大河連載、この「人生の諸問題」です。クリエイティブオフィスのTUGBOATを率いる岡康道さんとの、滋味あふれつつ緩くオカシイ、大人同士が語り合う諸問題を、お仕事の合間にどうぞお楽しみ下さい。ナビゲーターは清野由美さんです。

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