:小田嶋は、よく私服でいられるなあ、と感心するよ。僕は逆にスーツさえ着ていれば、こんなに心強いことはないわけ。

小田嶋:俺もテレビの仕事なんかが来た時に、人生ではじめてというくらい、スーツをいくつか買ったけど、あれになっちゃうのが一番楽だよね。

:一番楽ですよ。何も考えないでいい。

小田嶋:ただ、俺がスーツが嫌いなのは、要するに革靴を履かないとだめだからなんだよ。それが嫌で、だから、こっちになっちゃう。

:そうね。スーツで運動靴だとね。アカデミー賞のパロディになっちゃうもんね。

でも最近はスーツに合うスポーツシューズも出てきていると聞いていますよ。

:いや、小田嶋がそれを履いたら、老人になっちゃう。ああ、この人は、そろそろ歩行に問題が出てきたんだな、って(笑)。

小田嶋:あるよね。ウォーキングシューズを履いているおじいちゃん。でも、去年買った革靴はすごく歩きやすいやつで、昔の革靴ほど死んだようにならない。ほら、昔の革靴って、「足、大丈夫か?」みたいになるところがあったでしょう。

:あった、あった。

昔話をしながらケーキを食うおじさん2人。(千川通り沿いにある「ストーク」にて)

中途半端なものが思い出になる

すみません、話をもとに戻していいですか。

岡・小田嶋:(はっ)そうですね。締めていかないとね。

今回の千早町歩きで、お2人は何を得られましたでしょうか。

小田嶋:そんな難しいことを聞かれても……。 ただ、結局、もう、絶対返ってこないものってあるじゃないですか。それに近づいた時がうれしい、ということは、岡が子供時代を過ごしたあの路地で発見した気がする。

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