本記事は2015年1月13日に「日経ビジネスオンライン」の「人生の諸問題」に掲載されたものです。語り手の岡 康道さんが2020年7月31日にお亡くなりになり、追悼の意を込めて、再掲載させていただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

(日経ビジネス電子版編集部)

7年を超えた長寿コラムとなった本連載、今シーズンでは岡康道さんのルーツ、東京都豊島区千早町を歩いております。岡さんが生まれ、育ったこの地に、思い出は蘇るか…蘇るどころか、そのまんま残っておりました。

(前回から読む

:今日は、子供のころに住んでいた千早町の路地に行きたいんですよね。どうやって行けるかな。

住所は覚えていますか。

:千早町〇の×の△です。

すごい、覚えているんですね。グーグルマップで見てみましょう……って、出ないですよ。

:出ない?

ということで、歩きました。

最近は離島の山道までフォローしているグーグルマップですが。

:だとしたら、なくなっちゃったのかもしれないね。考えてみたら、もう50年前だものね。

小田嶋:歩けば思い出してたどり着けるんじゃないの。

:この辺りはとても見覚えがある。あ、や、あれっ(と、指さす方角に「〇〇文庫」の看板が)。あそこだよ、あそこ。あったよ、残っていたよ。

:(ガラッ)あのですね、僕、昔、この裏に住んでいて、ここのお店にしょっちゅう来ていたんですけど(と、中に入って、いきなり店主に声をかける岡康道)。

店主:は? 

みんなで近づいていくと、とても昔ながらの「本屋さん」が住宅街の中にポツンとたたずんでいる。中では、品のいいおばあさま店主と、お孫さんのような青年が店番をしている。店の前には、小学生がちゃんと歩いている!
続きを読む 2/8 千早町でタイムスリップ

この記事はシリーズ「もう一度読みたい」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。