:それも面倒くさいよね。人格の使い分けみたいで。

小田嶋:ただそれは、我々にしても実生活でもやっていることで、何かの会議に呼ばれて「復興とはこうあるべきじゃないでしょうか」と述べている清潔な小田嶋さんと、高校の仲間で集まって、ばかを言っているどうしようもない小田嶋さんとがいて。

:そのあたりで、プライバシー感覚の線の引き方をちゃんとわきまえないと危なくなったし、あとネットというものを広告に使う場合でも、すごくいろいろ考えなきゃいけなくなった。広告では、フェイスブックにファンページを作ってファンを持ちましょう、ということが流行しているけど、わざと反論すれば、ネットで検索してもなかなか出てこない、連絡が簡単につかない対象の方が、逆にカッコいいということだってあり得る。

小田嶋:そのリテラシーというのは、もしかしたら、これから学校で教えないといけないことなのかもしれません。

そう言っている中でも、小田嶋さんは文字通り地雷を踏んで読者のみなさまから喝采を浴びていますが。

御用コラムニスト、オダジマタカシ

小田嶋:例えば俺みたいな者が「日経ビジネスオンライン」で陰謀論がどうとかだよ、というコラムを書くと、「ほら、陰謀論を偽装して情報操作をする輩が現れた」みたいな、そういうさらに一回りした陰謀論という、すごいことを言う人が出てきたりして。

日経の御用ライター、小田嶋隆って。

小田嶋:マスメディア側の人間にとっては、ゆゆしい事態ですよ(笑)。

:いや、すごい時代になったね。

例えば「日経ビジネスオンライン」の「ア・ピース・オブ・警句」を読んだ50人の方が、フェイスブックで「いいね!」を付けてくれたとすると、その50人から数百人ずつ「いいね!」が拡散していき、最終的にフェイスブック内では5000人ぐらいが小田嶋さんのコラムを読むことになる、というようなデータ分析があります。

小田嶋:そういうネズミ講みたいな話は出てきている。

:とすると、「小田嶋隆」という名前は、ツイッターやフェイスブックが発生したことによって広まって、それで小田嶋の本って売れたの?

小田嶋:俺のここ最近の2冊が珍しく増刷したのは、もしかしたら、その効果はなきにしもあらずかもしれない。それは、今まで出していた本と違う客層が付いてくれた、ということじゃないかなと思うところはある。

:じゃあフェイスブックとかツイッターには、経済効果があるということか。

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