小田嶋:座り方だったかな。座り方と、大声でのおしゃべりは昔から上位圏で、去年ぐらいだと電車の中でのしゃべりの方が1位で、2位が座り方だった。それで携帯電話は5位ぐらいに後退していた。だからみんな、携帯にはずいぶん慣れちゃったんだな、と思ったんだけど。

:というか、メール主流になったからでしょう。

小田嶋:それもあるけど、要するに今まで見たことのない行為というのは、それが社会に定着するまで、みんな嫌悪感を持つものなのよ。例えば満員電車で新聞を広げられるのって、すごく迷惑じゃない? でもそれは昔からある迷惑で、みんな昔から我慢しているから目立たない。だけど携帯電話というものが世の中に初めて現れたころは、こいつ何よ、という感がとても強かった。

:それはあったよね。

小田嶋:それが今みたいに普及しちゃうと、すべての携帯通話が嫌だ、というふうにはならない。電車の中で電話を受けたやつが「今、電車の中なので、悪いけど後でかけ直すね、ぷつん」とやることに対しては、別に怒ったりはしないでしょう。

:その程度だったら、まあお互いさまの範囲だよね。

車内で電話するのは、実はおじさんとおばさん

コラムニスト 小田嶋隆氏
(写真:大槻純一)

小田嶋:時々、そういうふうに電話しているやつに、おじいさんがキレてトラブルになって、それでそのおじいさんが返り討ちにあって、新聞ダネになったりしているけど。多分、心臓ペースメーカーを入れている人にとっては、電車の中での携帯は、メールでも通話でも、とんでもなくけしからん行為なんだけど、それは別にして、20代のやつらからすると、仮に電車で通話しているやつがいても、これの何が迷惑なの?という感じなんじゃないかな。

:それで言うと今は、中高年の方が携帯のマナーが悪いという説がある。若い子は用件をメールで済ましちゃうけど、中高年は、「もしもし、今電車なの。もう少しで着くから」とか、平気で大声で通話している、と。

小田嶋:老眼になると携帯メールに対する親和性が著しく低下するから。

:そうなんだよね。いちいち老眼鏡をかけないといけないから、面倒くさいんだよね。

スマホどころか、らくらくホンが目前ですね。

小田嶋:俺も、もう液晶画面の小さな文字には耐えられなくなっています。

話をちょっと戻すと、倉本先生は携帯の中毒性について警鐘を鳴らしたかったのではないですか。

次ページ あまり知らない人の近況はうっとうしい