物置は、記者が育った大阪南部では当たり前のようにあった風景だった。もしかしたら大阪南部だけが異質だった可能性はあるが、ゲートボール人口そのものが減っているのではないか。そう思い、公益財団法人・日本ゲートボール連合(東京都港区)の担当者に聞いてみたところ、「残念なことですが、確かに愛好者は減ってきています」との答えが返ってきた。

 ゲートボール連合の統計によると、2014年の加盟団体の会員数は11万8985人。正式な統計を取り始めた1996年時点の会員数は56万7232人で、右肩下がりに減少している。

 ピークはバブルが崩壊した1991年頃。記者が野球にハマっていた時期とも符合する。当時の会員数は60万人に上っていたとみられ、その頃と比べ、6分の1に減ったことになる。

ピーク時の愛好者は200万人

 もっとも、この数字は加盟団体の会員数に限ったもの。団体に所属せずにゲートボールを楽しむ人はいる。20年前の総務省の推定では、愛好者は200万人いたとされる。彼らの実数までは把握できていないが、残念ながら大幅に増えたという話は聞こえてこない。

ゲートボール加盟団体会員数の推移
ゲートボール加盟団体会員数の推移
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小学校高学年にゲートボールを奨励している新潟のように、盛んな地域は一部に残る
●2014年の都道府県別の加盟団体会員数
都道府県人数
ベスト
1新潟7049
2長野5392
3鹿児島5039
4東京4984
5神奈川4507
ワースト
1高知299
2青森520
3鳥取565
4山口741
5石川766

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