小田嶋:天寿を全うした方のお葬式は、そんなものですよ。

ご自分の時に「○○なう」とされても、全然笑って許せるんですね。

小田嶋:まあ、みなさんが集まって、昔話に興じていただければ……と。

:でもさ、自分が今、何をしている、ということは別に誰かに伝えたい話とは限らないじゃない。

小田嶋:そうだ。

:むしろ誰にも隠したい、と。そういう時はツイートしないの?

小田嶋:それは書かなきゃいいだけで。

:だけど、そうすると書いている日と書いてない日があることになるよね。書いている日はともかく、書いてない日というのは、この人は何やっているんだろう、とならないか。

小田嶋:言いたくないことをやっているんだろうな、と思うでしょうね。

:でも、そんなのは、それこそ余計な詮索じゃない?

座布団を狙う高校生、長じてつぶやきをなす

小田嶋:まあ、それもウオッチャーというかフォロワーがいればの話で。だから、どこに行っているということを全部書く人と、まったく書かない人と、どっちかに分かれますね。俺は、どこにいるとか、何をしているとかは、あまり書かないたちで、だいたいサッカーの実況か、あとは大喜利に参加しているか。

:大喜利?

小田嶋:何か盛り上がっているお題があったら、それを私は○○と解く、みたいなことで、座布団を狙いにいくの。だから高校の授業中、ノートの切れ端に面白いことを書いて後ろに回していた感じとあまり遠くないわけですよ。お前だって偽俳句を作って回していただろう。

:偽俳句を作って回してはいたけれど、僕の場合は、まず授業がつまらなくて耐えられない。そういう現場から逃げる方法として、書いて回していたわけです。だけど現実の暮らしがあって、それほど退屈していない場合は、そこから逃げる必要がないじゃん。

小田嶋:それはそうだよね。

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