小田嶋:「虹の都へ」が出たころ?
怪人Y:そのぐらいのときです。それ、プロデュースはアメリカの玄人好みのミュージシャンだし、その前に彼が見出されたのが、高橋幸宏と鈴木慶一主催のオーディションだったりして。
小田嶋:出てきたときの高野寛のカッコよさといったらなかったよ。
怪人Y:でしょう。僕の、この何と言うか、置いていかれた感。
岡:ものすごく置いていかれているよね。
怪人Y:あいつ、数学、俺と同じぐらいできなくて、バカノって言われていたのに、こんなになりやがって、と(泣)。友達がスターになるってこういうことか、という、あの敗北感(泣)。それから、しばらく会ってなくて。
岡:それはそうだよね。
会社では一言も言わなかったですね。
怪人Y:当たり前じゃないですかっ。
人生いたるところに諸問題あり。
岡さんが高校時代に1人で行ったコンサートって…
小田嶋:彼は渋いというか、職人的な、オタク的なミュージシャンな感じ。
怪人Y:でも見た目や音はポップだから、女の子にも人気があって、非常に嫌な位置にいたんですよ(泣)。
小田嶋:何かのテレビ番組で、いろいろなものを勝手に歌にしちゃうコーナーをやっていたけど、あ、この人は何でもできるんだと思ったね。
怪人Y:そうです。天才的です。
小田嶋:天才ですよね。嫌みなやつですよね。
怪人Y:嫌みです。
小田嶋:嫌みなぐらい天才。
怪人Y:それで、実物はいいやつで、シャイで、そういうのもまた腹が立つ(泣)。
なるほど。
怪人Y:去年、幕張でビーチボーイズのコンサートをやったときに、トイレに行ったら、ばったり高野と出くわして、高校時代以来の連れションをしました(笑)。
よかったね、乗り越えられて。
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